ENJOY!日本茶

ホーム
コラム
> 土橋みゆきのハレノヒケノヒ二十四節気vol.24「秋土用の過ごし方。」

土橋みゆきのハレノヒケノヒ二十四節気vol.24「秋土用の過ごし方。」

2018.09.30

土用というと「夏」のイメージが強いですが
本来は、立春・立夏・立秋・立冬の前の18~19日の期間のことで
どの季節にも土用は存在します。
土用というのは雑節(ざっせつ)という暦であり、季節の変わり目にあるのです。

 

 

そして、秋土用は立冬、冬を迎える準備に入ります。 (ちなみに、2018年の秋土用は10/20~11/6)

「土用はどんより」
という言葉もあり
ちょっと気持ちも落ち込みやすくなり、マイナスな気持ちが籠もりやすくなります。
なので、この時期はあれもこれもとあまり活動的にならず、ゆっくり自分を見つめ直す機会と思った方が良さそうですね。
また、土用はいずれも、土をつかさどる土公神(どくじん)様が土の中にいらっしゃるので
・土いじりをしないこと
・畑仕事をしないこと
・地鎮祭をおこなわないこと
と昔から言われ続けています。

土公神様は、春は竈かまど、夏は門、秋は井戸、冬は庭にと、季節によって色々なところにいらっしゃるのですが、土用の期間は土の中におられるのです。

土いじりをしてはいけないと言われるのは、季節の変わり目で体調を崩しやすいから
畑仕事などで無理をしないようにという意味もあったようですね。
とにかく、体調を崩さないようにと注意して過ごす時期なのです。

そして、夏土用は「丑の日」に「う」のつくものを食べると良いと言われていますが
秋土用は「辰の日」(今年は10月27日です)に、たまねぎや大根など、「た」から始まるものを
食べると良いと言われています。
大根は特に秋にいただく、最強の養生食ですね。

 

 

また、この時期にいただくタンパク源はさんまやさばなどの青い食べ物が良いと言われています。

さんまにおろし大根なんて、最高の土用ごはんですね。
誰か焼いてくれないかな(笑)

余談ですが私は料理を教えたり、レシピを作ったりしているので
そんなのお茶の子さいさいでしょ?と言われるのですが
元々、ニオイに敏感で、それはもう嫌になるほどでございまして
焼き魚の残り香に対してとっても神経質なのです。
ソファやテーブル、色々なところにニオイがついていないか
トリュフを探す豚さんのようにクンクンと家の中を嗅ぎ回っています(笑)

なので、外で堂々と焼けるといいなと思ってしまうのです。
よく昭和の映画に出てくるような
路地に七輪を出して、炭火でさんまを焼くシーンにとても憧れてしまいます。

昔はそんな光景が当たり前にあって
「お、今夜はさんまだね」
なんて近所の人に声をかけられて・・・
そんな秋の風情を楽しむ中の小さな交流もあったのですよね。

秋土用が終わったら、暦の上では冬に。
今年は夏が長かったので、しばらくは秋のさわやかな気候に浸りたいと思います。
どうぞ、一日でも穏やかな秋の日が続きますよう。

———————————–
和ハーブおばんざい教室 10月の知らせ

二十四節気 寒露のテーブル
秋土用の養生ごはん

土用は胃腸と深いかかわりがあり、消化の良いものを食べると良いとされています。
また、秋土用と重なる寒露の頃は精神的疲れも溜まりやすい時期。
癒すものはもちろん、活気の出る食べ物で元気を後押しする食べ物がおススメです。
一年の中でも過ごしやすい季節。
日本の自然の恵みをいただき、楽しくお話ししながらいただける
ホームパーティーにもおすすめのメニューをご紹介します。

メニュー(予定)

鮭の和風パエリア
きのこのアヒージョ
秋の養生江戸小鉢タパス風
りんごと葛のヘルシースイーツ
季節のお椀
季節の和ハーブドリンク

日  時 : 2018年10月14日(日)10:30~12:30
定 員 :8名(予定)
講 師 :土橋みゆき
(料理研究家、JHF認定和ハーブインストラクター)
会 費 : 5,000円(税込)
持ち物 : エプロン、筆記用具
場  所:サロンエルマール(東急大井町線尾山台駅徒歩7分)
お申込みいただいた方に詳細をお知らせします。

※気候に伴う材料の仕入れ状況により内容が変更される場合があります。
※男性の御参加はオーナー、もしくは講師と面識のある方に限り受付をしております。予めご相談下さい。

申込方法:メールで承ります。
宛先 dobamiyu@gmail.com
メール件名 10月のおばんざい教室参加希望教室参加希望
本文 お名前と電話番号とメールアドレスをご記入の上、送信してください。

 

 

《これまでの記事》
●vol.1 ゆずを愉しむ
●vol.2_運気UP正しい冬至の過ごし方
●vol.3_新年の愉しみ
●vol.4_暦の春
●vol.5春の苦み
●vol.6さの神様
●vol.7 八十八夜と暦の夏
●vol.8 うめしごと
●vol.9 七夕の正しい過ごし方
●vol.10 暦の秋
●vol.11アンチエイジング祈願重陽の節句
●vol.12 秋空が美しく雲映える二十四節気、寒露の頃。
●vol.13 霜降の「柿しごと」
●vol.14 「大雪の過ごし方」
●vol.15 「お雑煮の秘密」
●vol.16 「大根で始める、立春。」
●vol.17「春の気分を”あげる”」
●vol.18「テーブルで楽しむ春。」
●vol.19「初夏のよもぎライフ」
●vol.20 「どくだみハーバルライフ」
●vol.21「夏こそ断捨離」
●vol.22「鬼灯で涼を愉しむ。」
●vol.23「暦に寄り添うアスリートライフ」

この記事を書いた執筆者

土橋みゆき

土橋みゆき(どばしみゆき)

料理研究家、日本こよみ暮らし協会代表 
日本の暦に寄り添った暮らしの提案、また、旬の食材やハーブを使った「おばんざい教室」を世田谷区で開催する他、メニュー開発、ケータリング、フードコーディネート、イベントなどに携わる。ガーデニングカタログ「オンリーワンクラブ」に”食べられるお庭”をテーマとしたガーデニングセットをプロデュース。
https://www.facebook.com/koyokura/