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「日本茶アンバサダーレポート山田陽子inシンガポール」Vol.19

2017.08.22

こんにちは、シンガポールの山田陽子です。
今回はシンガポールの健康茶文化事情についてお伝えしたいと思います。

皆さんもご存じの通り、シンガポールの民族的なマジョリティは中華系。彼らの祖先の多くは中国の南部から東南アジアに移民をしてきた人々です。そのため、公用語は英語ですが、家庭では中国語を話したり、食事も中華系を好むなど中国文化が少なからず残っています。こうした人々が体調管理に使う漢方食材を材料としたお茶が特に居住エリアのショッピングモールなどで数多く販売されています。

写真のお店は漢方食材やお茶などを扱う専門店ですが、こうしたお店の店頭には写真のようなボトル詰めされた飲料が販売されています。各お店で抽出したお茶を詰めているところが多いようです。甘いものが好きなシンガポール人が多いので、基本的に甘くなっています。また、お茶といってもチャノキから収穫された茶葉を使用しているのではなく、高麗人参やハーブなどの漢方食材を煮出したり、はちみつなど健康によいとされている食材を使用したお茶になっています。お茶毎に効能が少しずつ異なっていますが、一番多いのが体にこもった熱を取ることができるお茶です。シンガポール人と体調が優れないということを話していると、「体がほてっているからだ。クールダウンするために、○○を飲みなさい。」などとお茶を進められたりします。

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地元の人は体調がすぐれないことがあっても、すぐに薬を飲むのではなく、その時の状態にあったお茶を飲み回復に役立てているようです。私のオフィスでもある同僚は乾燥させたクコの実や棗をお湯に入れてお茶を作っています。漢方食材が手軽に安く入るシンガポールならではだなと思いました。シンガポールでは疾患の初期においては、多くの人はなるべく薬を飲まないで直そうとする傾向は日本よりも強い気がします。また、風邪などで病院に行く際も、まずはTraditional Chinese Medicalという漢方医学の病院に通ったりする人が多いですし。漢方だけではなく、インド系のアーユルベーダを基礎としたクリニックも多くあり、主にインド系シンガポール人が利用しています。

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健康意識の高いシンガポールで健康をテーマにした日本茶や日本のハーブティーが受けないかなと考えている今日この頃です。
それでは、また次回。

 

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この記事を書いた執筆者

山田陽子日本茶アンバサダー

山田陽子(やまだようこ)

大学卒業後、日本で就職するも海外での就業の希望が諦められず、2011年末に一念発起し単身でシンガポールへ。現在、在住4年目。言語や文化の違いに戸惑いつつも、ローカルの友人にはJapanese Singaporean と言われる程、馴染んで楽しく暮らしています。昔から、家では日本茶を飲む習慣があり、日本の美味しいお茶を海外にも広めたいと思い日本茶アンバサダーとして活動することにしました。日本茶だけではなく中国茶や東南アジアのお茶文化のレポートも出来ればと思っています。