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農業女子プロジェクトコラボエッセイ~島根県扇原茶園 佐々木京子さん~vol.3

2015.11.16

10月に入り、秋冬番茶(しゅうとうばんちゃ)の摘み取りが始まりました。

写真(1)

秋冬番茶は、農家では四番茶と呼び、今年最後のお茶摘みとなります。
ちなみに、新茶は、一番茶。6月~7月は、二番茶。8月は三番茶。です。
扇原茶園では、一番、二番、四番の3回摘みます。

写真(2)

秋冬番茶は、夏の太陽をいっぱいに浴びて育ったお茶の葉です。熱いお湯で淹れても、渋みも少なくカフェインも少ないお茶です。
番茶と言えば、ご飯の時に飲む茶色のお茶をイメージされる方が多いようですが、私のところでは、煎茶と似た製法で作った「緑番茶」と、それを焙煎した「焙じ茶」の二種類の番茶があります。

さて、扇原茶園は島根県浜田市の中山間地にあり、一年中イノシシが出て、お茶の畝間をせっせとミミズ取りに精をだしています。

写真(3)

ミミズやてんとう虫等がいると言うのは、良い土の環境として嬉しいことですが・・・。
畝間を掘ったら、直して帰ってくれたらええのにー!と、イノシシに教えたいところです。
だから、お茶摘みの前には、鍬で畝間を直してからの作業になります。
農業とは、こうして山の動物とも共存して、天候にも左右されながら、自然と共にあるんだなぁと実感しています。

これから寒い季節に向かいます。熱~い番茶で心も体も温まってくださいね!
緑番茶でうがいも良いですよ!

この記事を書いた執筆者

佐々木京子

佐々木京子(ささき きょうこ)

島根の港町に生まれて、山の中に嫁ぎ、遠く日本海を臨む場所でお茶の栽培に携わるようになりました。両親は海の仕事でしたので、初めての農業は右も左も分からず年月は瞬く間に過ぎ去りました。気が付けば3人の子供たちも大きくなり、苗木だった茶畑も立派に育ってきれいな緑色の絨毯が広がっていました。ある朝、かまぼこ型の茶の木の畝がモコモコと並ぶその向こう側を、自転車で下っていく息子の背中を見送りながら、ふと足元を見つめて「これが"シアワセ"なのかもなぁ」とじんわり感じたのを覚えています。近ごろでは春に新芽の赤ちゃんが顔を出し始めると、かわいくて愛しくて、「よぉ(よく)顔を出したねぇ」と思わず声をかけてしまいます。毎日ただ無我夢中だった頃には、こんな風に穏やかに思える日が来るとは想像もできなかったけど。今はここで、お茶畑で、日本茶を見て触れて感じて、楽しんで頂きたいという思いでいます。遠くの方にも、うちのお茶でひと息ついていただけたらとても嬉しいです。

農業女子PJ 日本茶アンバサダー協会は農業女子プロジェクトのサポーターズメンバーとして、「ENJOY!日本茶」での情報発信等を通じて農業女子プロジェクトを応援しています。