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清水加奈『かぶせ茶農家のひとりごと』vol.7 「お茶植え」

2017.04.12

こんにちは。
ついに桜が咲き始めましたね!東京は満開だとか。(4月7日現在)
私が住む三重県四日市市水沢町はまだまだ咲き始めたばかり。今年は梅も桜も遅かったので、新茶も1週間ほど遅くなる気配です。

さて、先月号で「3月はお茶植え頑張りまーす!」と書きましたが、、、やってしまいました。。。
子供と遊んでいて左足人差し指骨折です。しかも、お茶植え3日前。

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本当に情けないお話なのですが、こんな足じゃ長靴さえも履くことができず、今年は戦力外の私でした。残念無念。
大変!!人手不足!!どうしたものかと悩んだ末に思い切ってFacebookで求人しました。どなたかお茶植えのバイトしてもらえませんか?と。
ありがたいことに高校を卒業し大学入学を待っているという若者3人が、お助けマンとして来てくれました。彼らはお茶畑に入るのも初めてということでしたが、一生懸命手作業でお茶を植えてくれました。本当に助かりました!!ありがとう!!

お茶の樹は多年生の常緑樹ですので、おそらく100年以上生き続けることは可能なのですが、古い茶の樹になってくると樹勢が落ちてきて収量も少なくなるため、お茶農家は30年~50年ぐらいで掘り起こし、新しいお茶の樹を植えます。
わが家も25年~30年くらい経った茶園は様子を見て改植します。ちょうど今、役目を終えて引退するお茶の樹達は、私が子供の頃に両親と植えたお茶の樹達なんですよ。なんだか感慨深いものがあります。
今年は2品種のお茶の樹を植える予定だったのですが、急遽1品種入荷することができず「さえあかり」という品種を600本ほど植えました。

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植える前にたっぷりお水を吸わせ、手作業で1本づつ植えていきます。

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子供達も立派な戦力。大人が植えるところまで苗木を運びます。子供達がアラフォーになる頃に、この茶の樹は役目を終えます。それまではよろしく頼みますよ。

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5日目に今年のお茶植え終了!!まだまだ風が強いため抜けないように上のほうをカットしカワイイお茶の樹達が揃いました。

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一人前のお茶の樹に成長するまでは約5年かかります。5年間は大きくなることに専念してもらい、6年目からは良い新芽を生み出してもらいます。
大きくなって美味しいかぶせ茶に採れるようになってね!

半月ほど経過した茶の樹達。元気に生きています!!

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次回はいよいよかぶせ茶新茶情報をお届けできそうです!!

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今茶園はこんな感じ。遅めといえども、ちゃんと新芽の赤ちゃんが顔を出しています。
こちらはわが家で一番新茶が早く取れる品種茶「てらかわわせ」です。名前の通り早生品種なため早いのです。
今月末にはかぶせ茶の覆いをかぶせる作業も始まります。かぶせ茶カフェでは新芽の手摘み体験&新芽天ぷらもオプションメニューで始まります。
お茶農家が1年で一番慌しく忙しい時期に突入しますが、怪我なく(骨折中の私がえらそうに言いますが)、事故なく、皆様に美味しいかぶせ茶の新茶をお届けできるよう家族一同力を合わせて頑張ります!!!
新茶、どうぞご期待くださいませ!!

 

《これまでの記事》
●vol.1三重の茶畑からこんにちは
●vol.2 へぇ~、三重県お茶事情。
●vol.3 かぶせ茶の楽しみかた
●vol.4 「ようこそ!かぶせ茶カフェへ」
●vol.5 「冬の茶畑と茶農家」
●vol.6「ise-chaのある生活」

この記事を書いた執筆者

清水加奈

清水加奈(しみず かな)

三重県の専業茶農家(有)マルシゲ清水製茶の長女に生まれ、幼い頃から跡継ぎとして育てられる。25歳の頃結婚と同時に就農。2010年に1人でも多くの方に三重のかぶせ茶を知ってもらい、ファンになってもらいたいという想いから『かぶせ茶カフェ』を開業。農業女子プロジェクトメンバー、四日市茶農家女子会メンバー、茶育指導士、二児の母。
★マルシゲ清水製茶HP: http://marushige-cha.jp/