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清水加奈『かぶせ茶農家のひとりごと』vol.24『マルシゲ研修旅行』

2018.09.17

この度の台風と北海道の地震等で被害にあわれたみなさま、お見舞い申し上げます。1日でも早くいつもの生活に戻られるようお祈りいたします。
自然の驚異におびえる今日この頃ですが、お茶農家として自然のお恵みで生活している面もあり、本当に複雑な思いです。自然はありがたいこともあり、恐ろしいものでもあるなと痛感いたします。そしてとにかく自然には逆らえないものだなと。。
台風21号上陸の際はご心配のお声もいただきましたが、わが家は何箇所かの茶園で隣の森からの倒木と、防霜ファンの線が切れたぐらいでした。

全国の子育てママの皆様、やっと夏休みが終わりましたね!今年は2日間長かった。。
わが家は毎年子供達の夏休みに『マルシゲ清水製茶旅行』というのが開催されます!なんてことない家族旅行なのですが、7人全員で1年に1度泊まりで出掛けることが、一番茶・二番茶を乗り越えるエネルギーになっています!!幹事はなぜかいつも私。9歳~65歳が喜ぶプランを計画するのはなかなか難しい。。
今年はどうしようかと思いながら昨年の淡路島旅行を思い出していました。淡路島のホテルのお風呂からフェリーが見えていたなぁ、そうだ!フェリーに乗ろう!!昨年車で横断した「明石海峡大橋」を今度は船から見上げてみよう!
迷わずあの見えていたフェリーを検索すると、発見!大阪~別府「さんふらわぁ」!!念願の九州なら訪問先は大学の先輩が営む奥八女『栗原製茶』さんだ~!!

大学卒業以来18年振りにお会いした栗原先輩は、本当に大学時代のままで驚きました。すっかりオバハンになった自分がちょっぴり恥ずかしかったな。
栗原製茶さんは福岡県矢部村という高地にて、きれいな空気きれいなお水でお茶を生産し販売してみえるお茶農家さんです。お兄さんである先輩が販売、弟さんが生産をおもに担当されています。
こちらは品評会茶園。山の中で丁寧に大切に育てられていました。こちらの茶園で標高300メートル。東京タワーのてっぺんでお茶を作っているのと同じですね。茶葉がつやっつやっなのが印象的でした。

 

 

こちらはもっと山の上。この名の通り「天空の茶園」です。案内されている時本当にこの先にお茶畑があるの?というような山道でした。こちらの茶園で標高500メートル!!東京スカイツリーよりも高いところでお茶を作っています。
茶葉が生き生きとし勢いがあるのが印象的でした。

 

 

主人や父は栗原先輩と栽培や加工について、いろいろお話を教えていただき今後の作業に活かさせてもらうようです。私は栽培加工はあまり分からないのですが、以前からFacebook等の投稿を拝見し、栗原製茶さん地域や消費者さんとの関わりに興味がありました。
そのひとつがこれ、「矢部村のハート岩」。

 

 

絶対生でいつか見てみたい!と思っていたので、目の前にしたときは感激でした。そして大きさにビックリ!!想像の4倍以上の大きさでした。文章ではうまく伝わらないので気になる方は、ぜひ矢部村へ♪
このハート岩、昔から人気があったものではなく近くの飲食店の方の「ハートに見える」というお話から、近年矢部村の観光名所になったというのです。ビックリと羨ましい。栗原製茶さんはこのハート岩もよくPRされており、奥八女茶とハート岩はセットで私の頭の中ではインプットされています。

もうひとつ印象的なのはコレ。「茶畑オーナー制度」!!天空の茶園1坪オーナーになり、1年に5回お茶を送ってもらえ、いつでも茶園の作業や田舎暮らしの体験ができるという制度です。普段の茶園管理は栗原製茶さんがしてくれるので安心。すごいですよね、これはお茶農家しかできない消費者さんとのコミュニケーション!
わが家でもやってみたいなぁ。

 

 

矢部村は標高が高いため、平野部の八女茶より摘採が遅いという課題があるのですが、地域や消費者さんと関係を活かし、経営に結びつけられているなと勉強になりました。とにかく栗原先輩は矢部村茶業にとって、なくてはならない方だなと感じ刺激を受けました。
栗原先輩、また矢部村行きます!!

栗原製茶さんを訪問、別府で地獄めぐりや温泉を堪能し、フェリーで早朝大阪に到着。そしてお次は神戸!!

栗原製茶さんもわが家もお茶を使っていただいている、神戸六甲アイランドにある「神戸チャイハーネ」さんへ♪こちらのオーナー植木さんは脱サラして神戸で日本茶カフェを経営されています。日本全国の茶農家からこだわりのお茶を取り寄せ、お茶やお茶を使ったお菓子やお料理(ランチ)が楽しめるお店です。オーナー自ら茶産地へ出向きお茶を買いつけ。わが家も2度お越しいただいています。もちろん矢部村も!
チャイハーネさんではわが家の「さえあかり」をお楽しみいただけます♪

 

 

 

 

 

お昼が近づくにつれ、店内はお客様でいっぱいに。ちびっこ連れのママ友グループから常連のおばあちゃんまで、年齢層幅広く皆さん楽しそうにお茶や食事されていました。生産者側としてその光景はとても嬉しく、また身が引き締まる思いもしました。
なかなか充実した3泊4日の今年のマルシゲ研修旅行でした。来年はどこにいこうかな?良いところありましたら教えてください。

今月下旬には今年最後のお茶刈り「秋番茶」のシーズンに突入します!!
そして私事ですが、、、この度『日本茶ゴールドアンバサダー第2号』に任命していただきました!!!

 

 

満木さん、皆様ありがとうございます。これからもアンバサダーの名に恥じないよう、三重のかぶせ茶とお茶を楽しむことを皆さんに茶農家目線からお伝えさせていただきます!これからもお付き合いどうぞよろしくお願いいたします。

《これまでの記事》
●vol.1三重の茶畑からこんにちは
●vol.2 へぇ~、三重県お茶事情。
●vol.3 かぶせ茶の楽しみかた
●vol.4 「ようこそ!かぶせ茶カフェへ」
●vol.5 「冬の茶畑と茶農家」
●vol.6「ise-chaのある生活」
●vol.7 「お茶植え」
●vol.8「新茶2017」
●vol.9 『新茶無事終了』
●vol.10 『夜のお仕事』
●vol.11 『かぶせ茶氷』
●vol.12 『お茶の品種』
●vol.13 『秋番茶刈り採り中です!』
●14 『滋賀 信楽朝宮へ行って来ました!』
●15 「冬仕事とみえセレクション」
●16「JGAP認証」
●17『四日市イベント@三重テラス』
●18『道の駅 みなみやましろ村』
●19『お茶苗植え 2019』
●20 『新茶 2018』
●21 『一番茶終了!!そして二番茶』
●22 『四日市少年自然の家さんとのコラボ 家庭の日』
●23 『水出しかぶせ茶』

この記事を書いた執筆者

清水加奈日本茶アンバサダー

清水加奈(しみずかな)

三重県の専業茶農家(有)マルシゲ清水製茶の長女に生まれ、幼い頃から跡継ぎとして育てられる。25歳の頃結婚と同時に就農。2010年に1人でも多くの方に三重のかぶせ茶を知ってもらい、ファンになってもらいたいという想いから『かぶせ茶カフェ』を開業。農業女子プロジェクトメンバー、四日市茶農家女子会メンバー、茶育指導士、二児の母。
★マルシゲ清水製茶HP: http://marushige-cha.jp/