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岐阜のお茶旅 vol.8_郡上八幡 第13回 小那比茶 茶摘み・茶もみ体験

2018.02.17

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立春が過ぎ、春の訪れが待ち遠しいこの頃です。写真は昨年の春、新茶の頃の郡上市八幡町小那比(おなび)地区の茶畑です。全国的に厳しい寒さが続いていますが、春の茶畑の鮮やかな緑の世界を思い浮かべて、今年の新茶を楽しみに待ちたいと、心を温めています。

昨年、5月28日に開催された「郡上八幡 小那比茶 茶摘み・茶もみ 体験」に参加しました。13回目を迎えたこのイベントは、リピーターも多く、いつもは静かな山里も、この日は100名ほどの参加者で、にぎわいます。

 

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小那比グリーンツーリズム促進会議会長の羽田野さんのあいさつからスタートです。
この日は初夏を思わせる晴天でした。早速、茶摘み体験が始まります。

 

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陽ざしは強いのですが、涼やかでさわやかな風が茶畑に吹き抜けます。名古屋から片道、
105km、車で約90分。郡上八幡市街から約20分のアクセスで、地元の人はもちろん、遠方からの参加者も多いです。家族連れも多く、幼い子供たちが一生懸命お茶を摘む姿が印象的でした。小那比地区の人達が、丁寧に指導してくださるので、初心者でも安心です。茶摘みの後は、ランチタイム。小那比の人達がご用意して下されるお昼ご飯もこのイベントの楽しみの一つです。

 

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郷土料理の朴葉寿司、お漬物、お味噌汁。手作りの優しいお味で、とても美味しいです。そして、子供達に大人気の茶畑での流しそうめん。

 

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小那比の人達の心を込めたおもてなしです。小那比ごはんが食べたくて茶摘み体験に参加する方も多いのでは?これも、リピーターが多い理由です。小那比の人達の温かい優しさにふれて、心も体もリフレッシュできます。
食事の後は製茶工場で、お茶が出来上がる工程を見学します。

 

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岐阜県の中山間地域の小那比地区は、江戸時代からお茶の生産が盛んな地域です。山間の傾斜地を生かして栽培しています。昼夜の寒暖差が大きく、朝霧が立ち込め、良質な茶葉が育まれます。現在は30軒の栽培農家で小那比製茶産組合を構成しています。
小那比のお茶はうま味が豊富で、「お茶の味の素」と言われ、静岡や白川のお茶屋さんにも人気の茶葉です。一番茶のみの収穫で、希少価値が高いです。小那比茶の茶摘みは、全国的には遅く、ゴールデンウィークを過ぎてからになります。この日は、製茶工場もフル回転で、とても忙しい時期にあたります。製茶工場を見学した後は、茶もみ体験です。

 

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むしろの上でお茶を揉みます。昔から伝わる揉み方です。子供たちも大喜びです。小さな手で一生懸命お茶を揉みます。かなりの力仕事で、根気も必要です。昔の人は手作業でお茶を造っていた事を思い起こすと、大変な重労働だったことを実感します。

 

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「ほいろ」(助炭)での茶もみも体験できました。お茶の香りに包まれて、汗を流して、人々とふれあう、楽しいひとときです。

 

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お土産に、小那比の新茶とペットボトルのお茶をいただきました。
近年の小那比地区の人口減少、生産者の高齢化、茶畑の耕作放棄地の増加。厳しくなる状況の中で小那比茶を守り続けたい生産者の熱い思いと願いから、13年間、毎年行われた「茶摘み、茶もみ 体験」です。お茶造りを通して生産者、小那比地区の人々、自治会の方々が参加者と楽しくふれあう一日を満喫できたことが、とても幸せに感じます。春の訪れを感じながら、今年の小那比の新茶を楽しみに待ちわびたいです。

郡上八幡 小那比「茶摘み・茶もみ体験」お問い合わせ先
郡上市農林水産部農務水産課

 

《これまでの記事》
●vol.1_見渡せば、山、山、山。山の中の岐阜のお茶
●vol.2_清らかな山の恵み。美しい村、東白川村のお茶
●vol.3_美濃白川茶発祥の地に残る いにしえのお茶
●vol.4_東白川村 昔ながらの秋のお茶
●vol.5_東白川村 五加(ごか)地区の無農薬の茶畑で・・・・。
●vol.6_郡上八幡の人々が愛する美味しいほうじ茶 田中茶舗
●vol.7_宗祇水に導かれて・・・お抹茶処 宗祇庵

この記事を書いた執筆者

平林典子日本茶アンバサダー

平林典子(ひらばやしのりこ)

「Lacue チーズ・お茶・ワイン」の教室を運営。セミナーやイベントを開催。煎茶道黄檗松風流師範。チーズプロフェッショナル(CPA認定)ソムリエ(JAS認定)中国茶インストラクター(ロ・ヴー認定)茶道の季節を愛でる思いを大切に、気軽に楽しく、美味しく、自由な発想でお茶を楽しむ教室やお茶会を開催しています。