ENJOY!日本茶

ホーム
コラム
> 土橋みゆきのハレノヒケノヒ二十四節気vol.27「おせち素材の簡単アレンジ」

土橋みゆきのハレノヒケノヒ二十四節気vol.27「おせち素材の簡単アレンジ」

2018.12.31

早いもので新しい年を迎え、2019年は元号も変わる大きな変化の年になりますね。
この一年が皆様にとって素晴らしいものとなりますように。

ところで、皆様はおせち料理を毎年作られていますか。
実は、私は大げさなものは作っていません。
物理的に時間が難しいのと、なんといっても家族がおせち料理があまり好きではないからです。

でも、おせち料理に使われる食材がすべて縁起の良いものとして
古くから日本人に親しまれていることから
その食材を使って、アレンジをしたり、テーブルコーディネートを現代風にしてみたりと
そんなオリジナルの楽しみ方をしています。

これは、「くわい」

 

 

なかなかスーパーや八百屋さんでも見かけることが少ない食材ですが
おせち料理には欠かせませんよね。
くわいは中国から日本に奈良時代に伝わったのではないかと言われていて
大変古い歴史があり、漢字では「慈姑」と書きます。

一つの根っこたくさん子がつくので、その姿がまるで母が赤子を慈しんで授乳するように見えるからなのだとか。

そして、12月ごろになると、勢いよく芽が出てくることから「芽でたい」→おめでたい!ということで縁起が良いと言われています。

くわいは歯応えがシャキシャキしていて、味そのものより食感が好きな人も多いのではないでしょうか。

 

 

煮物でいただくのはもちろん美味しいのですが
私はこうしてチャーハンに刻んで入れていただくこともあります。
ちょっと贅沢ですけど(笑)

クワイにはカリウムが多く含まれているので
デトックス効果は絶大。
お正月の食べ過ぎた体をキレイにしてくれますよ。
ぜひ、スーパーなどで見かけたら手にしてみてはいかがでしょうか。
灰汁が強いので、必ず灰汁抜きをしてから調理してくださいね。

続きまして、おせち料理によく出てくる食材が
「黒豆」
まめに働けますように。という意味を込めています。
でも、おせち料理のお重に詰めると
地味・・・・・・かな。

そこで私は煮たものをいつもシンプルなオードブル料理にしています。

 

 

豆皿の上にスプーンを乗せて、黒豆の上には製菓用のアラザンを。
これだけでちょっとしたスイーツ気分を味わえますね。

おせち料理のためだけではなく、普段でもこうしてアレンジするだけで
ささやかな毎日が少しだけ楽しくなる
そんな気持ちになります。

昔の人々が子や孫、そしてその先の世代までの繁栄と平和を願った思いは
違った形であってもこうして「食」の中に取り入れることで
その心が伝わったような、また違ったまんぷく感を味わうことができるような
そんな気がしています。

2019年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

《これまでの記事》
●vol.1 ゆずを愉しむ
●vol.2_運気UP正しい冬至の過ごし方
●vol.3_新年の愉しみ
●vol.4_暦の春
●vol.5春の苦み
●vol.6さの神様
●vol.7 八十八夜と暦の夏
●vol.8 うめしごと
●vol.9 七夕の正しい過ごし方
●vol.10 暦の秋
●vol.11アンチエイジング祈願重陽の節句
●vol.12 秋空が美しく雲映える二十四節気、寒露の頃。
●vol.13 霜降の「柿しごと」
●vol.14 「大雪の過ごし方」
●vol.15 「お雑煮の秘密」
●vol.16 「大根で始める、立春。」
●vol.17「春の気分を”あげる”」
●vol.18「テーブルで楽しむ春。」
●vol.19「初夏のよもぎライフ」
●vol.20 「どくだみハーバルライフ」
●vol.21「夏こそ断捨離」
●vol.22「鬼灯で涼を愉しむ。」
●vol.23「暦に寄り添うアスリートライフ」
●vol.24「秋土用の過ごし方。」
●vol.25「新蕎麦の季節。」
●vol.26「冬の簡単、保存食づくり。」

この記事を書いた執筆者

土橋みゆき

土橋みゆき(どばしみゆき)

料理研究家、日本こよみ暮らし協会代表 
日本の暦に寄り添った暮らしの提案、また、旬の食材やハーブを使った「おばんざい教室」を世田谷区で開催する他、メニュー開発、ケータリング、フードコーディネート、イベントなどに携わる。ガーデニングカタログ「オンリーワンクラブ」に”食べられるお庭”をテーマとしたガーデニングセットをプロデュース。
https://www.facebook.com/koyokura/