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元祖国産燻製茶カネロク松本園3代目奮闘記 vol.20 ワッショイ八十八夜

2018.05.13

こんにちは。
八十八夜をすぎて新茶の文字があちこちで見られるようになりました。
少し遅くなりましたがカネロク松本園の松本です。
3月の温暖な経過により今年は例年にくらべ10日ほど早い新茶の収穫を終えました。
4月のできごとをお伝えいたします。

まず4月の14日・15日に地元のお祭り「金谷茶まつり」が開催されました。
新茶が早まったためにお茶農家としてはお祭りどころではない状況の中、やるからには楽しまないと損なので楽しみました。
金谷茶まつりのメインは茶娘道中と地域ごとに運行する6つの屋台です。
茶娘の衣装を着た女性たちがずらりと旧東海道に整列し音頭を踊るのははじめて見る方には壮観なのではと思います。
屋台の運行では私は第6屋台のお囃子のメンバーでして小学生から大人まで太鼓や笛でお祭りを盛り上げるため、年始から練習を重ねてきました。

 

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天気予報は雨マークだったのですが延期になりでもしたら完全にお茶農家は参加できないということで雨が降っても強行開催というこれまでになく熱の入ったお祭りになりました。笑
これまで茶まつりといっても地元のお茶のPRが少ないなぁと思っていたのですが今回は地元の若手生産者のイベントや茶畑ツアーを行う先輩もいて次回は自分も負けずに何かやりたいなと思いました。お囃子もやらないとなんですけど〜

そしてお祭りを終えた次の16日から新茶の製造に突入しました。
毎年のことですが製造初日はとても緊張感があるんです。大事な新芽を丁寧に収穫しないといけないし工場の機械もメンテナンスは当然しているといっても実際稼働してみないとどんなトラブルが起こるかは可能性はわかりません。

 

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以前トラブルがあった年は大変でした・・・
おかげさまで今年は終始大きなトラブルもなく操業を終えることができました。

現在は緑茶製造が終わってすぐに紅茶製造に入っています。
農薬不使用栽培の畑から紅茶を作っているのですが本当に無農薬は草とのたたかいです。
今年の一番茶シーズンにはフランス、ニューヨーク、シンガポール、イギリスからも茶園を、工場を、茶葉を見せて欲しいとお客様がいらっしゃいました。

 

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海外での日本茶の需要はブームになっている抹茶がほとんどかと思っていたのですがそうではなく皆さん、煎茶もほうじ茶もきちんと食育をしながら品質の良いものを広めていきたいとおっしゃっていてとても感激しました。
現地で食育をするために作り手とコミュニケーションを取りにきたんだそうです。
本当にありがたいです。
コミュニケーションをきちんととるために私の英語力をあげないとと思いました。

 

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新設した紅茶用の工場、「KANEROKU発酵茶ラボ(仮称)」は機械もこれまでとは勝手が違いさぐりさぐりですが紅茶製造を進めています。
和紅茶のブームも一旦落ち着きそうですがクラフトマンシップを持つ生産者だけが残っていくと思います。
「やってみたらそこそこできた」「先人の真似をすればいいんでしょ」
恥ずかしげもなく言う生産者もいますが私はその程度の気持ちならやめて欲しい。
ありがたいことに尊敬できる先輩たちや先生方が私の周りにはいます。
お客様はもちろんですがそういった方々にも恥ずかしくないもの作りをしたいと思います。
昨年よりも良いものを。それだけです。

5月は二番茶への準備も忙しく進めているのですが19・20日に新宿高島屋で行われる食育マルシェに参加いたします。
2018年の新茶・新紅茶を持っていきますよ〜!是非お越しください。

それではまた次回〜(o゚∀゚o)ノシ

 

《これまでの記事》
●vol.1 ごあいさつ
●vol.2 日本の世界農業遺産を知ってほしい
●vol.3 伝統の次は革新?日本初・国産燻製茶の誕生
●vol.4 日本茶を世界に!和紅茶編
●vol.5 よい茶葉との付き合い方
●vol.6 香港SOGO百貨店催事へ
●vol.7 東急ザロイヤルエクスプレスに燻製紅茶
●vol.8 「2017新茶」
●vol.9 新茶製造。まもなく二番茶。
●vol.10 いよいよはしるよ観光列車
●vol.11 機械はちいさく志は大きく
●vol.12 ウイスキーの雑誌に掲載されました
●vol.13 世界緑茶コンテスト入賞
●vol.14 ボンジュールパリジェンヌ
●vol.15 パリ後半戦とウィスキーフェス!
●vol.16 年男松本。今年もよろしくお願いいたします。
●vol.17 笑顔も苦手。喋りも苦手でごめんなさい。
●vol.18 お茶が早く揉みたくなってきました
●vol.19 世界で最も緑茶を愛する街、島田市

この記事を書いた執筆者

松本浩毅

松本浩毅(まつもとひろき)

静岡県の専業茶農家カネロク松本園の長男に生まれ、幼い頃から跡継ぎとして育てられる。静岡県の農林大学校茶業科を卒業し22歳の頃に就農、現在34歳。専門家でなくとも飲めば特別だとわかるオリジナルなお茶を作りたいとの想いから、国内には存在しなかった茶葉を燻製にする製法を独自に研究開発。日本の世界農業遺産の周知にも力を注いでいる。島田市農業経営振興会、静岡県青年農業士、日本農業青年経営会に所属。
カネロク松本園HP:http://www.saumi-tea.com