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元祖国産燻製茶カネロク松本園3代目奮闘記 vol.5 よい茶葉との付き合い方

2017.02.01

こんにちは。カネロク松本園の松本浩毅です。
早いもので2017年ももうひと月が経ちました。
一月は行く、二月は逃げる、三月は去る、、、なんて聞いたことがありますが毎年新年を迎えればあっという間に四月の新茶の時期がやってきます。
これからは茶園の管理だけでなく、茶工場の一番茶を迎えるための準備などやることがいっぱいです。
第4回は日本産の紅茶の近況をお話しさせていただきました。今回は緑茶のお話をしようと思いますが先日スタイルアサヒという冊子に私が寄稿した内容が掲載されましたのでそちらの内容をご紹介していきたいと思います。
「生産者に聞く、よい茶葉との付き合い方」

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まずは「おいしいお茶」とはなにか。
おいしいお茶と一言で言われても実際むずかしいですよね、人にはそれぞれ好みがありますし日本国内だけでもいろいろなお茶の産地があります。南は九州沖縄から北は新潟?あたりまでお茶畑はありますからそれぞれの気候や地質に適したお茶の栽培法もあるのだと思います。
その中でも私は世界農業遺産の静岡の茶草場農法を継承していますのでそちらの紹介もさせていただきました。ただ全般的に言えることは美味しいお茶の栽培に関して生産者の愛情のこもったお茶であることは間違いないでしょう。

次に「栽培だけでなく製造も求められる職人技」
お茶農家が他の農家と違うところは、栽培のあと加工までおこなったものが農産物として認知されるところがあります。お茶っ葉はサラダで食べないですよね。
栽培技術がいかに素晴らしくとも工場での製造技術が足りていなければせっかく育てた茶葉の美味しさを損ねてしまいます。農業だけ上手でもだめな農業なんですね。

次に「一番茶にふくまれる旨味をたのしみましょう」ということで
一番茶・二番茶・三番茶・四番茶とありますが、私は旨味のあるお茶が美味しいお茶ではないかとおもいます。それは寒い冬を越えて栄養をためアミノ酸の多く含まれた柔らかい新芽の一番茶がやはりおすすめです。しぶくてさっぱりしたお茶がお好きな方はカテキンやカフェインが少し増える二番茶以降のお茶も試してもいいかと思います。

製造法の違いも茶葉選びにはもちろん大切です。山間地に多い浅蒸し茶と近年主流の深蒸し茶、バランスの良い中蒸し茶があります。
浅蒸し茶は針のような形状で抽出後は葉っぱの形に戻るようなお茶です。低温抽出で旨味の濃い淹れ方がとても美味しいお茶です。水色は金色透明なものが素晴らしいと言われます。

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深蒸し茶は高温のお湯でもサッと淹れられることもあり濃い緑色の水色が今の日本茶のイメージですね。味わいとしてはトロリとした飲み口のお茶です。

このコラムもそうですが、最近はインターネットやSNSで農園の生産者自身が自分の商品やストーリーを紹介できるようになったこともお茶選びの面白さかと思います。
スーパーに並ぶお茶を選んでもあんまり面白くはないですよね。
お茶屋さんでいろいろ比べて選ぶのはちょっと楽しいです。農家にまでこだわってえらんでいただければもう最高ですね。笑

二月の8・9・10日に東京ビックサイトで開催されるグルメダイニングスタイルショーに出展します。二月の中旬には香港でお茶の販売をしてきます。
ドタバタのうちに二月には逃げられてしまいそうです。。。ではまた次回(´・д・`)ノシ

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《これまでの記事》
●vol.1 ごあいさつ
●vol.2 日本の世界農業遺産を知ってほしい
●vol.3 伝統の次は革新?日本初・国産燻製茶の誕生
●vol.4 日本茶を世界に!和紅茶編

この記事を書いた執筆者

松本 浩毅

松本 浩毅(まつもとひろき)

静岡県の専業茶農家カネロク松本園の長男に生まれ、幼い頃から跡継ぎとして育てられる。静岡県の農林大学校茶業科を卒業し22歳の頃に就農、現在34歳。専門家でなくとも飲めば特別だとわかるオリジナルなお茶を作りたいとの想いから、国内には存在しなかった茶葉を燻製にする製法を独自に研究開発。日本の世界農業遺産の周知にも力を注いでいる。島田市農業経営振興会、静岡県青年農業士、日本農業青年経営会に所属。
カネロク松本園HP:http://www.saumi-tea.com