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<特集記事>一杯のお茶に託す想い~宮下大輔さん

2015.09.08

日本茶

日本茶アンバサダー協会の「日本茶ヴァリューアッププロジェクト」と協働して、9月9日より日本茶を正式にメニュー化して提供を始める、可不可 KAFUKA TOKYO をプロデュースする宮下大輔さんにインタビューしました。

写真(1)

―春秋、そして暗闇坂宮下と、センセーショナルなお店をクリエイトされてきましたが、ここ麻布十番に可不可をオープンした経緯をお聞かせいただけますか?

[宮下さん]和食を通じて30年、和のことをしてきましたが、まだまだ理解が足りないと感じていて、改めて深堀りするためにヒト・モノ・情報が集まる場を創ってみようと、この4月に可不可をオープンしました。

―オープンして4か月ほどになりますが、手応えはいかがですか?

写真(2)[宮下さん]通常のレストラン営業以外に、料理教室や、生産者さんや蔵元さんをお招きした会を開催して、「和」の情報発信をしています。加賀の蓮根農家さんとつながったら、そちらが能登のワイナリーを紹介してくださって、じゃあ加賀野菜と能登ワインのマリアージュを楽しむ会を開きましょう、とか、発信することでどんどんつながりができて広がっています。会に参加してくださった方がSNSで紹介してくださって、それを見てお食事にきてくださったり、大きなメディアで宣伝をしていないのですが口コミで広がっていっていて、ありがたいです。かつてお店を開けたときとの違い、今の時代性を感じます。

―お客さまはどんな方が多いですか?

[宮下さん]女性がとても多いです。女性に選ばれる店はいい店だ、と言われますから嬉しいですね。カップルでいらっしゃるお客さまで、予約は男性がしていても、見つけて選んで決めたのは女性というケースがかなりあります。女性主導の時代と言われて久しいですが、本当にそうなったと感じますね。ふつうのOLさんがひとりでいらして、カウンターでお料理3品とお酒2杯、のようなかんじで上手に楽しんでいかれたりもします。昔はそういうことをするのは雑誌社とかクリエイターとかの特別な人でしたが、今はSNSだったりを通じて一般の人も情報発信をしているので、情報感度が上がって層が広がっているのでしょうね。

―可不可では日本の食材にこだわっているそうですね。

写真(3)[宮下さん]野菜などは基本は市場で仕入れていますが、少しずつ産直のものを増やしていっています。お酒も和酒にこだわっています。月に何百人という人が店にはいらっしゃいますから、店というのは媒体なんですね。日本の食を発信する媒体としての在り方を意識すれば、もっと新しい展開ができると考えています。麻布十番に店を構えたのも、海外の人が多く住んだり働いたりしている地域というのが大きな理由です。日本の食のすばらしさをここから世界に発信したいと考えています。

―日本茶もここから世界にどんどん発信したいですね!

[宮下さん]和食には日本茶があいます。和のお酒にあうのもやはり日本茶です。一杯のお茶を通して和の心を伝えていきたいと思います。

―有料で提供するということについてはいかがですか?どうしても日本茶はタダ、という感覚が世間一般的に根強いようですが。

[宮下さん]お茶を希望される方はかなりいらっしゃいます。お酒を召し上がらない方もいらっしゃいますし。むしろそういう方にもお食事をより楽しんでいただけるようになると思います。

―力強い言葉をありがとうございます!これからもご協力どうぞよろしくお願いします。

写真(4)[宮下大輔さんプロフィール]料理人として厨房に立つ他、子供から大人まで幅広い世代に向けて「和食」の魅力を伝える料理教室・食育活動などを展開。 飲食店の空間作りからフードメニューまで、トータルでコンサルティングを行なう、飲食店プロデューサー。弱冠24歳にして「春秋」の開店にあたり、代表者として接客マネージメントなど、すべての運営に携わる。その後、麻布十番に暗闇坂宮下を出店(現在は、3店舗を運営)。表参道ヒルズ内の洋食MIYASHITAなど、さまざまなレストランプロデュース、リーシングコンサルなどを手がける。東京スカイツリー展望デッキレストラン「SkyRestaurant634」の総合プロデュースも行ない、最近では、飲食店を中心に、旅館や商業施設のプロデュースなど幅広い分野に活躍の場を広げている。今年4月に可不可 KAFUKA TOKYO を麻布十番にオープン。

写真(5)[可不可 KAFUKA TOKYO]日本の素材を使った料理と、和酒のレストランです。レストランはフルオープンのカウンターですべての調理を行い、料理が出来上がる過程を体感していただける構造になっています。 レストランでありながら、時に料理教室の開催、酒やワインの作り手をはじめ、伝統工芸作家、日本文化伝承の担い手たちとの新しい取り組みの場として、日本文化と向き合う場ともなります。食を取り巻く人や物を通じて’和’体験をしていただけるレストランです。
☆ENJOY!日本茶 可不可ページ:http://www.nihoncha.org/ajiwau/details_01.html

インタビュー・文:満木葉子