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「日本茶アンバサダーレポートinシンガポール」Vol.10

2016.06.01

こんにちは、シンガポールの山田陽子です。日本には出張でちょくちょく帰る私ですが、それでも日本食が食べたくなることが多くシンガポールでも日本食レストランは利用します。今回はシンガポールの日本食とお茶の事情についてレポートをしたいと思います。

シンガポールには日本人、日本企業経営の日本食店や他国資本の日本食店と多数存在します。そのグレードも日本で居酒屋に行く感覚で飲食が出来るお店から、かなりの高級店まで幅広く揃っています。海外ですから価格は高めに設定されていますが庶民でも利用できるお店が多いのはシンガポールで暮らす日本人にはとてもありがたいことです。日本茶アンバサダーですから、各店でどのように日本茶が使われているのか気になり、飲食のついでに聞き取りをした内容をご紹介したいと思います。

まずは、日常的に利用できる庶民派店。日本の居酒屋と変わらないメニューを出すシンガポールの居酒屋さんでは緑茶ハイも飲むことが出来ます。そしてメニューには緑茶もソフトドリンクとして並んでいます。ある居酒屋を経営する経営者の友人に緑茶は何を使っているのかを聞いてみたところ、日本でも人気のペットボトルの日本茶を仕入れて緑茶ハイにもソフトドリンクとしても使っているとのことでした。この日本茶は数年前から東南アジア内でボトリングを始めたことにより日本とほぼ同じ価格でスーパーやコンビニで販売されています。飲食店への卸売価格もかなり安いようで多くの居酒屋で利用されているとのことです。茶葉から淹れた美味しい日本茶は受けるか、ビジネスとして成立するか聞いてみたところ、日本茶は人気があるので仕入価格次第ではとのことでした。キャンペーンのような形で美味しい日本茶を普段のものより少し高めに提供したり、和風のデザートとセットにしたら店舗としては新しいメニューとして代わり映えもするし、利益も出せる可能性があるのではとのご意見を頂きました。

写真(1)

もう一方のハイエンド日本食店。私も頻繁には行けませんが、先日訪れたマリーナベイサンズ内の和食「Wakughin」では食事の最後、デザートの前に玉露がサーブされました。シェフが温めのお湯でしっかり時間をかけて淹れてくれた玉露は、香りも味もよく、沢山の魚介料理を食べた後に口の中をとてもすっきりとさせてくれました。茶葉について聞いてみると静岡からオーナーシェフが目利きをして仕入れているものだということでした。ブランドなどは当日いらっしゃった方はご存知ではなかったのが残念でした。一品、一品丁寧にお料理の説明をしていただけるお店でしたが、玉露についてはあまり説明がなかったのでアンバサダーとしては美味しい日本茶をサーブするお店で来店客に、より日本茶に興味を持っていただけるような仕組みが出来ないかなと感じています。

写真(2)

日本茶アンバサダーとしてシンガポールの日本食と日本茶の事情を色々と考えてみて、まずはある程度高級路線を行くお店で日本茶についてPRできる仕組みが作れればより日本茶への関心や人気が高まるのではないかと思いました。ちょっと贅沢が出来る層が日本茶に興味を持ってくれることで、今のシンガポールの日本酒事情のようにより幅広い層に広めることにつながるのではないかと思いました。

それでは、また来月!

この記事を書いた執筆者

山田陽子日本茶アンバサダー

山田陽子(やまだ ようこ)

大学卒業後、日本で就職するも海外での就業の希望が諦められず、2011年末に一念発起し単身でシンガポールへ。現在、在住4年目。言語や文化の違いに戸惑いつつも、ローカルの友人にはJapanese Singaporean と言われる程、馴染んで楽しく暮らしています。昔から、家では日本茶を飲む習慣があり、日本の美味しいお茶を海外にも広めたいと思い日本茶アンバサダーとして活動することにしました。日本茶だけではなく中国茶や東南アジアのお茶文化のレポートも出来ればと思っています。