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「日本茶アンバサダーレポート from イタリア」Vol. 2 音楽と食で日伊交流

2016.01.12

皆様、ボンジョルノ! イタリアのトスカーナ地方で活動するNPO法人 日伊文化協会みらい 代表の吉田友香子です。前回に引き続き、日本茶をご紹介したイベントについて報告をいたします。日本茶をご協賛頂いた鹿児島県志布志市のJAあおぞら様に感謝!

日本人ソプラノ歌手と地元オーケストラのコンサート & お茶の試飲会
音楽と食を通じた日伊交流をコンセプトに、岡田育世さん(ソプラノ)とイタリアで活躍されているピアニスト池田加代子さん、ピサ地元のオーケストラのコンサートを開催しました。

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会場は、最近改修工事を終えた由緒あるカプッチーニ修道院図書館。1500年代の古文書が書棚に陳列し、歴史を感じさせる空間でした。日程的にハロウィンおよび近郊ルッカで国内最大の漫画&ゲームの祭典と重なりましたが、10代から70代の音楽好き或いは日本文化に関心のあるイタリア人、在住日本人の合計60名が来場されました。グラッツェ・ミッレ!!

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岡田育世さんは、有名なオペラのアリアやイタリア歌曲の他に日本の歌も幾つか披露され、舞台後にはこっそり「日本語の歌詞の分からない人が相手だから、ちょっと大げさ過ぎるくらい感情あらわに歌ったのよ~!」と。さすがです。来場者から大喝采を受けていました。またオーケストラは、エンニオ・モリコーネ他、有名な映画音楽を演奏し、心地良いステージになりました。

そしてコンサート終了後に、2種の冷茶(水出しの煎茶とほうじ茶)とお菓子(揚げ煎餅、手作り抹茶クッキー)をご提供しました。様々な効能があって健康に良いことを、口頭だけでなく配布プログラムにも掲載しました。2種の日本茶の色と味の違いを楽しんで頂けるよう、茶葉の香りと淹れ方を説明し、試飲する順番はデリケートなお煎茶を先にお勧めしました。

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来場者の反応は…
・イタリアで流通しているグリーンティと違い、鮮やかな緑のお茶で、味も香りも豊かで驚き!
・緑茶に対する衝撃が大きく、ほうじ茶はそれと比べると紅茶に近い。
・日本の緑茶が健康に良いことは耳にするけれど、お抹茶のセレモニーのイメージが先行しててっきり淹れ方が難しいものと勘違いしていた。こんなに簡単に美味しく飲めるのなら日ごろから飲みたい。
お代わりする人が続出。どこで入手できるのか、多くの方から質問を受け、返答に困ってしまいました。今後の課題は、茶葉の入手方法をお伝えできるよう「流通ルート」の確保になります。

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また、液体のお茶に成分が30%でるのに対し、茶殻には70%も良い成分が残ったままとは、もったいないです。ぜひ茶殻を使った、イタリア人好みの料理レシピを開発しなければ!そこで早速試したのが、以下の2品です。

1) 豚ひき肉のミートボールに、イタリアンパセリの代わりに茶殻を投入。肉の臭み消しになり、これはイケそうです。ただし欲張ってたくさん入れると苦みが出てしまうので、茶殻の量はしっかり調整しなければなりません。
2) パスタと絡めましたが、緑の茶殻がパスタやお皿にこびり付いて、視覚的に美しくないです。ラビオリのようにパスタの中に包むのが良いと思います。定番の「リコッタチーズ&ほうれん草」の代わりに「リコッタチーズ&茶殻」かな。
プロのイタリアン料理人とコラボして、茶殻メニューを考案したら面白いと思います。それではまた次回。

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この記事を書いた執筆者

吉田友香子(よしだゆかこ)/ピサの日伊文化協会みらい 代表日本茶アンバサダー

吉田友香子(よしだゆかこ)/ピサの日伊文化協会みらい 代表

横浜生まれ、三渓園がお散歩コース、隣が花見煎餅さんの工場という環境で育ち、祖母の影響もあってか、おやつにお茶漬けをすするシブ~い幼児でした。小学校時代は父の仕事の関係で中東アラブのクウェートに在住、小学生にして単身、バンコック経由の一時帰国を経験させられたのが、後の運命を左右することになったのでしょうか。様々な国の文化に触れるのが好きで、大学ではイタリアの都市史・建築史を研究、留学を経てピサ大学で博士号を取得。さあ帰国してアカデミック街道を進むかと思いきや、ピサ留学中に日伊文化協会みらいを設立して日伊の文化・学術交流に励んだため、遂にはイタリアで起業し、仕事と日伊交流にいそしむ現在に至ります。珈琲の国イタリアでも、健康に良い日本茶、和食への関心はとても高いのですが、残念ながら美味しい飲み方までは浸透していません。私自身も勉強して、イタリアで日本茶をより身近に楽しんで頂けるよう頑張ります!