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おごじょ茶ん日記 vol.3

2015.10.09

写真(1)

鹿児島での生活にだいぶ慣れてはきたけれど
なかなか「かごんま弁」を聞き取ること・理解することができない私。

近所の人との立ち話で、スーパーのレジで、
コミュニケーションには欠かせない会話が成り立たない。

その焦りが出始めた頃
頼りになったのは祖母のフクばぁちゃんであった。

話しかけてくれるのに、ただニコニコしていると、わからないのがすぐばれて
「意味わかるかい?」と優しく問いかけてくれる。
まずは慣れる事だよと。

この家族で濃ゆい「かごんま弁」を巧みに話せるのはばぁちゃんだけ。

家中あちらこちらで、ばあちゃんの声が響く。
「まこち!こじろー!うざらしもんじゃ!あいたよ~!」
(本当にこじろー!うるさいもんじゃ!痛い~!)
やんちゃ盛りだったこじろーはじゃれるのがお仕事。
ばぁちゃんに一日中じゃれかかる。


近所のお友達との電話。切るときはいつもこの言葉。 「どうもね~ ほんならね~」
(今日はありがとう。それではまた~)
なんて可愛い!
耳に残り、ついつい私も電話を切るとき
「ほんならね~」

寝る前にばぁちゃんの部屋に顔を出すと
いつもコタツにすっぽり入り、テレビを見ている。
こちらを向いて
「きゅは おやっとさぁ やったな」
(今日はお疲れ様でした)
こじろーも一緒ににゃーん!
(おやっとさぁ~!)

難しく感じていた「かごんま弁」だったけど
ばぁちゃんの口から出てくる言葉は
とても優しく柔らかく、あったかい。
無理に覚えなくても
まずは聞き慣れることが大事なのだと
ばぁちゃんが気がづかせてくれた。

そんなばぁちゃんが亡くなったのは三年前。
毎朝卵焼きを焼いてくれたり、からいも団子や、お煮しめを一緒に作ったり、年越し蕎麦の汁を教えてくれたり。鹿児島の味付けを、ばあちゃんから学びました。
甘えたいときは、「ほらよ」とこたつに入れてくれ、膝枕してくれたね。
働き者のばぁちゃんの手はとても温かく、私の心を癒してくれた。

ありがとうばぁちゃん。

ばあちゃんのおかげもあって、今では私もすっかり薩摩おごじょになりました!
タイトルに使っている「おごじょ」、この意味、みなさんわかりますか?

答えは、女性を親しんで呼ぶ語。
強気で、頑固なかごしまの男性と反対に、気立てが良く、芯の通ったしっかり者というイメージだそうです。

新しい土地で、しっかり根を張り生きていくためには
自分の心の声に耳をかたむけ
とにかく経験し、動くこと。

人と人を繋げるのは、
言葉だけじゃなく
思いやりのある「心」も必要。
そして、空に向かってまっすぐと
芯の通った強い女性になりたい。

この記事を書いた執筆者

写真

東八重香織(とうばえ かおり)

栃木で生まれ育ち、縁あって、鹿児島の茶農家の跡取りと結婚。2003年から鹿児島在住。「鹿児島茶」にすっかり魅了され、鹿児島茶を広めると共に、日本茶の魅力を幅広い世代に伝えたく、オーソドックスな日本茶以外に紅茶、烏龍茶など新商品の開発にも力を入れています。世界遺産仙巌園と商品開発した「武士の紅茶」が注目を浴びるなど、少しずつ前進しています。「おいしいね」とたくさんに方にいっていただけるよう、精進していきたいと思います。