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清水加奈『かぶせ茶農家のひとりごと』vol.5 「冬の茶畑と茶農家」

2017.02.28

みなさん、こんにちは。
毎日冷えますね~。インフルエンザも流行っているようですね。我が家は手洗いうがいはもちろん、お茶をいっぱい飲んでおいしく予防していますよ!
私の住む三重県四日市市水沢町の今年の冬は、雪雪雪。。。今年は本当に雪が多いのです!!えっ?三重県って雪降るの?って思う方も多いと思うのですが、三重県って北南に長細くて同じ県内でも結構気候が違うのです。(そのため三重県産だけでいろんなお野菜や果物がそろいます)

私の住む四日市市は北にあり、また水沢町は鈴鹿山脈の麓ということもあり毎年2.3回は10~20cmほど積雪があります。余談ですが、ちらりと聞いた話によると日本海側の雪雲は、鈴鹿山脈にぶつかり太平洋側には来ないはずなのですが、地形の影響なのか一部とどまらずにそのまま太平洋側に流れ込むポイントがあるらしいのです。そこに水沢町が入っているらしいです!日本海側でしか見ることのない植物が、こちらで見られるそうですよ!
そんな水沢町でも今年はおそらく何十年に1度の雪あたり年!!私の知っている限りでは22年ぶり?23年ぶり?確か高校生の時のクリスマスにも3日間ほど家から出られないことがありました。

1月14日から降り続き、16日にはこんな状態。50cmほど積もりました!!

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茶畑もこんなにこんもりと。生クリームたっぷりのロールケーキみたい。
お茶の樹はこの時期、冬眠中。新芽を出す春を、寒さに耐えじっと待っています。もしかすると雪のかまくら効果で暖かいのかもしれませんね。

今日の茶畑はこんなかんじ。

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ぱっと見ほとんど雪もとけたように見えますが、、、畝の中を見てみると、、、

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まだまだ雪が残っています。しかもこの雪はもうカチカチの固まりなのです。
よく見ると、この雪の重みで茶の樹のすそ(下のほう)の茶の樹が下がり、隙間が空いて普段は見えない枝が見えてしまっています。

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ちょっと痛々しいですが、でも大丈夫!!雪が溶け春を感じる温かい日が増えてくると、茶の樹はだんだん元の状態に戻っていきます。そして、春には新芽を出してくれるはずです!たくましい!!

茶の樹もけなげに頑張っていますので、茶農家も茶園での作業以外で頑張っていますよ!
12月~2月の期間、茶園の管理は特にないので、今のうちにいろいろな機械の点検や整備をしています。製茶工場はもちろん、お茶刈り機や肥料散布機、防除機などのオイル交換や注油。新茶時期、いざ使おうという時に調子が悪いとベストなタイミングの良質なお茶ができません。
また、肥料や資材の棚卸しも行います。今年の管理計画を立て、在庫量を考え発注数などを割り出しています。主人と父の話し合いを聞いていると、何かの作戦会議みたいです(笑)。

そして、かぶせ茶農家にとって大事な仕事がコレ!!

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かぶせ茶栽培の必須アイテム!!かぶせる遮光ネットの補修です!!
新芽にかぶせている時期は、猫の手も借りたいほど忙しく、またベストタイミングにかぶせたいので、途中で破れたりすると大きなロスにつながります。その為、この冬に時期に古そうな茶園のネットをチェックし、新しいものに交換したり、縫い合わせて補修をしたりしています。

冬の茶どころでは、茶園で茶農家を見ることは少ないですが、ちゃんと新茶に向けて準備をしていますよ!

次回は2月4日表参道LATTESTさんで開催された、伊勢茶ワークショップの様子をお伝えします。皆さんに三重のかぶせ茶楽しんでいただけると良いな。お楽しみに。

 

《これまでの記事》
●vol.1三重の茶畑からこんにちは
●vol.2 へぇ~、三重県お茶事情。
●vol.3 かぶせ茶の楽しみかた
●vol.4 「ようこそ!かぶせ茶カフェへ」

この記事を書いた執筆者

清水加奈

清水加奈(しみずかな)

三重県の専業茶農家(有)マルシゲ清水製茶の長女に生まれ、幼い頃から跡継ぎとして育てられる。25歳の頃結婚と同時に就農。2010年に1人でも多くの方に三重のかぶせ茶を知ってもらい、ファンになってもらいたいという想いから『かぶせ茶カフェ』を開業。農業女子プロジェクトメンバー、四日市茶農家女子会メンバー、茶育指導士、二児の母。
★マルシゲ清水製茶HP: http://marushige-cha.jp/