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清水加奈『かぶせ茶農家のひとりごと』vol.2 へぇ~、三重県お茶事情。

2016.11.10

マルシゲ清水製茶

こんにちは!!
朝夕めっきり寒くなり、あったか~いお茶が恋しい季節になってきましたね。
子供達の水筒もキンキンに冷やした焙じ茶から、そろそろ温かいかぶせ茶にしようかなと考えている今日この頃です。

今日は私の住んでいる三重県のお茶事情についてお話させてもらいますね。
伊勢神宮や松阪牛で知られている三重県ですが、実は静岡県、鹿児島県に次ぐ、全国第3位のお茶どころなんです!
三重県は北と南に長いのが特徴。まるで鳥が翼を大きく広げて飛んでいるような形ですよね。南北に長いため、北勢と南勢で作っているお茶が違うのですよ。
私が住んでいる北勢地域は鈴鹿山麓に茶産地があり、四日市市・鈴鹿市・亀山市・いなべ市などで「かぶせ茶」を多く作っています。
南勢地域は松阪市・度会町・大台町に茶産地があり、「深蒸し煎茶」を多く作っています。
そしてこれら三重県内で作られたお茶(MADE IN三重)をまとめて『伊勢茶』と言います。
伊勢茶は、北のかぶせ茶、南の深蒸し煎茶の二本柱のお茶なんです!
余談ですが、、、三重県以外で「伊勢茶で~す」とお茶をおすすめすると、よくお客様から「あら~、伊勢神宮の伊勢市のお茶?」と聞かれます。いえいえ、三重県産のお茶全部が伊勢茶ですよ。

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※「伊勢茶」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2016年10月31日 (月) 12:45 UTC、URL: http://ja.wikipedia.org

わが家がある北勢地域、四日市市水沢(すいざわ)町ですが、四日市市の工業のイメージとは正反対で、茶畑が広がる三重県屈指のお茶どころです。そしてほとんどのお茶農家が「かぶせ茶」を栽培しています。
かぶせ茶については次回詳しくお話させてもらいますが、黒い覆いをかぶせて育てるので、町中の茶畑が真っ黒になる時期があります!水沢町の多くのお茶農家は1年に3回お茶を採りますが、その中の2回だけかぶせます。新茶と呼ばれる1番茶の4月下旬、二番茶の6月下旬に黒いお茶畑が町一面に広がりますので、お近くの方はぜひ見に来てください。なかなかおもしろい景色ですよ!
この写真はまだまだかぶせ途中ですが、ヘリコプターから見ると緑色と黒色がオセロのように見え新聞にも写真が載ったりします。近年、遠方から写真撮影に来られる方も増えてきました。

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そしてこの「かぶせ茶」実は生産量は全国第1位なんですよ!!!
もうこれは声を大にして言いたい。
伊勢茶は知名度がまだまだ低いのですが、47都道府県中1位!!地味にすごいでしょ?私もう、これ自慢しまくりたいと思っています(笑)。
三重県以外の方、豆知識として覚えてくださいね。三重県の方もっと自慢しちゃいましょう。

もうひとつ自慢。
「モガ茶」って聞いたことありますか?じつは水沢町では3回目のお茶、秋番茶はこのモガ茶になるのも多いのです。モガ茶は主にお茶味のお菓子などお茶味製品の原料となるお茶です。粉末にしやすいように、一般の茶葉のようなヨリはかけずにそのまま乾燥したペラペラしたお茶なのです。私、伊勢茶は飲んだことないのよね~という方も、きっとお茶味のお菓子として、知らずのうちに伊勢茶を口にしていますよ。
そしてこの「モガ茶」の生産量も実は全国第1位!!

三重県が意外にお茶頑張っていることお解りいただけたでしょうか?
茶業界において、じみ~に縁の下の力持ち的な立ち位置の三重県。
なんだか、いとおしいです。いとおしいのでこれからPR頑張ります。
次回は三重県が生産量第1位の「かぶせ茶」についてお話させていただきます。

 

《これまでの記事》
●vol.1三重の茶畑からこんにちは

この記事を書いた執筆者

清水加奈

清水加奈(しみず かな)

三重県の専業茶農家(有)マルシゲ清水製茶の長女に生まれ、幼い頃から跡継ぎとして育てられる。25歳の頃結婚と同時に就農。2010年に1人でも多くの方に三重のかぶせ茶を知ってもらい、ファンになってもらいたいという想いから『かぶせ茶カフェ』を開業。農業女子プロジェクトメンバー、四日市茶農家女子会メンバー、茶育指導士、二児の母。
★マルシゲ清水製茶HP: http://marushige-cha.jp/