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日本茶アンバサダー馬場美智恵の『Let’sお茶めぐり』vol.1_神奈川 高梨茶園へ

2019.02.07

 

はじめまして。日本茶アンバサダー第4期の馬場美智恵と申します。
横浜在住のお茶愛好家です。小さい頃から私の家ではお茶を飲む習慣があり、祖母や母が淹れてくれたお茶を飲んで育ちました。なにげなく飲んでいたお茶ですが、大人になったある日お茶のイベントで数多くのお茶を飲み、そこで種類の多さや味や香りの違い、お湯の温度や淹れ方ひとつで全く味が違ったりと驚くことばかりで、お茶の魅力にすっかりはまってしまいました。
お茶って美味しい!楽しい!と思ってもらえるお茶好きさんが増えるよう、アンバサダー活動をしていきたいと思います。
『Let’sお茶めぐり』では、各地で出会ったお茶の情報やレポートをお届けさせていただきます。 どうぞよろしくお願いいたします。

第1弾は、日本茶アンバサダー協会代表理事の満木さんのご紹介で、都心から電車で1時間ほど小田原方面へ向かい丹沢山系が美しいのどかな里山の町、秦野にあります
「高梨茶園」さんへお伺いしてきました。

 

 

昭和28年創業で現在は三代目・園主の孝さんと四代目・晃さんが、茶葉の育成から製造・販売までを一貫して行っています。

 

 

「おいしいお茶を作るために、出来ることはすべてしたい」と情熱をもってお茶作りをされている孝さん。

何かキラッと光るものを持つお茶を探し、揃ったのは個性豊かな9種の茶。
香駿・さえみどり・ほくめい・山の息吹・やぶきた・はるみどり・おくみどり・おくはるか・べにふうき。
子育てと同じだと愛情込めて大切に育てていらっしゃいます。

 

 

・きれいな濃緑色の「さえみどり」は、甘く優しい味わい。さわやかな香りを最大限に生かすため製茶の際は蒸し過ぎない処理を心掛けているとのこと。
・山吹色がきれいな「香駿」は、桜葉のようなさわやかな香り。渋みと旨みが調和された味わいが3煎目までしっかりあります。
・やや黄緑がかった緑色の「山の息吹」は、渋みが少なく旨み十分な品の良い味わい。
新緑を感じさせる軽やかな香り。芽吹く時期に覆いをすることで新芽のやわらかさを保ち、葉も美しくきれいなお茶に仕上がるそうです。

茶園や品種、生産年で変わるお茶の味の違いを楽しむ人はまだ少ないが、お茶の葉が持つ香りや渋み、うま味などの豊かな味わいを“ワインのように楽しんでもらえたら”。
毎年の茶を楽しみにする人が増えることを孝さんは願っています。

 

 

「足柄茶」は複数の茶農家から集められブレンドされたお茶ですが、高梨茶園、自園の茶「丹沢遠山茶」は、三代目の孝さんが全国から情報を集め、味や香りを確かめ選び抜いたものばかりを育て製茶したお茶です。

高梨茶園では、足柄茶として販売する為に神奈川各地から茶葉を集められる、農協茶業センターに3割出し、残りの7割は丹沢遠山茶として自園で販売しています。

 

 

お茶をいただきながらお話を伺った木のテーブルとイスは、なんと孝さんの手作りなのです! 茶畑を作るために山を切り開き、その際切った木で制作されており、味があって色合いも手触りもとても素敵でした。
その隣の蔵は、大正中期から使われているという立派な蔵。
手入れが行き届いており100年経っているとは思えません。

 

 

全部で9000坪という広大な敷地の高梨茶園。東京ドームが5つ程入ります。
シンボルの柿の木! 日陰を作るために切らずにあるそうですが、夕日の時間は絵になってとても素敵な風景です。

 

 

軽トラックを自在に操り、山道を上り下りし広大な茶畑を手入れされています。

 

 

品種によって、栽培に最適な場所があるためそれぞれ種類ごと畑を分けています。
ちなみに、銀座松屋の屋上で育てられている協会のお茶プロジェクトのお茶の木は、高梨茶園のおくみどりなのです。寒さに強いので東京のデパートの屋上でも育つのです。

畑の間にあるススキも土を守るため大事な役割をするので、ススキも大きく立派に育てていました。

 

 

工場も見せていただきました。
お茶はとにかく鮮度が大事!と孝さんがこだわって改良を続けている工場は、効率よく、体に負担の無いよう楽に作業出来る工夫がされており、最新の機械を入れられたりもしてスムーズに工程が進むようになっています。
機械の置く場所や高さが違うだけで、効率が全然変わってくるとの事。
高梨さんのやり方を県外の他の茶園の方も見学に来られる事があります。

 

 

また、高梨茶園のお茶をメニューに出されているお店も多くあります。
高梨さんに連れてきていただいた秦野駅から徒歩5分にある、“ハダノ浪漫食堂”さん。
こちらは大正ロマンなお洒落なカフェかと思いきや、なんと出汁にこだわったうどんや
おでんがとってもおいしいお食事出来る素敵なお店でした。
そのメニューの中のドリンクに高梨茶園さんの煎茶・玄米茶・ほうじ茶・和紅茶がありました。夏には、煎茶を麺に練りこんだ“茶うどん”も出されていたそうです。

最近では、横浜の洋菓子店”プチフルール“さんとコラボした、高梨茶園のほうじ茶をふんだんに使ったフィナンシェが販売されており、神奈川県下7店舗のプチフルールさんで
絶賛販売中です。
私もいただきましたが、ほうじ茶の香りがとてもよく甘すぎず凄く美味しかったです。

高梨茶園では、お茶の販売以外にも手もみ茶体験会なども開催されています。

四代目の晃さんは、神奈川県内で唯一「手もみ茶教師」の資格を持ち、全国手もみ茶競技会や全国手もみ茶品評会で何度も上位入賞していらっしゃいます。

広大な茶畑から眺める景色は絶景でした。
みなさんもお近くに行かれた際には立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

高梨茶園 takanashi-chaen.com

この記事を書いた執筆者

馬場美智恵日本茶アンバサダー

馬場美智恵(ばばみちえ)

日本茶も和のこと全般にも興味がある1児の母です。普段は飲食店で仕事をしています。
お店で気軽に楽しいお茶時間を過ごしてもらえるよう、お茶会やワークショップなどを開催予定しています。 
日本茶アドバイザー(日本茶インストラクター協会認定)