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岐阜のお茶旅 vol.14_Barスタイルで夏の白川茶を楽しむ。 カガミガハラ・スタンドで東白川村のお茶イベント

2018.08.17

 

猛暑が続く今年の夏。83日、この日の岐阜市の最高気温は389℃。日中は白い陽射しがとても眩しいです。

岐阜市の隣、各務原市(かがみがはらし)にある都市公園「学びの森」の銀杏並木を抜けると、森に佇む素敵なカフェがあります。

 

 

2016年にオープンしたカフェ「カガミガハラ・スタンド」です。

このカフェをプロデュース、運営を行っているのが「各務原市をもっと楽しくしたい」という想いのもとに立ち上がった一般社団法人「かがみがはら暮らし委員会」です。文化発信基地としての役割を担っています。

 

 

 「カガミガハラ・スタンド」の運営を務める戸高翼さん(写真左側)と東白川村、茶蔵園(さくらえん)の茶師、田口雅士さん(写真右側)です。「各務原市×東白川村」のコラボ企画、東白川村の特産品のお茶を「カガミガハラ・スタンド」で楽しむイベントがこの夏、期間限定で開催されています。その一つ、日本茶新体験【茶場-cha bar-】が、83日に開催されました。

「カガミガハラ・スタンド」の戸高さんは、月に一度、年齢、性別、職種の違いに関わらず多様な人々が自由に集まるイベント「寄り合い」を開催しています。そこで出会った東白川村のお茶の世界に心惹かれて、今回のイベントが開催されました。戸高さんは東白川村を訪ね「近くにこんな素敵な場所があるのを知らないのはもったいない!」と語っています。山間にある美しい茶園の農家、生産組合、茶商、茶師、役場、それじれの立場で白川茶と真剣に向き合う東白川村の人々の姿。たくさんの想いと手が添えられている白川茶を多くの人に知って頂けるきっかけになればと願っています。

 

 

 

 Barスタイルで東白川村のお茶を提供する【茶場-cha bar-】のメンバーです。

 

 

真夏の陽射しと森の緑を背景に、東白川村のお茶の香りが華やかに広がります。

 

 

「煎茶ジントニック」を担当する樋口銀二郎さんです。濃いめに淹れた煎茶とジン、トニックウォーターで作ります。アクセントに山椒、ミント、レモン。爽やかな煎茶のお酒です。樋口さんは「地域おこし協力隊」として東白川村に移り住みました。現在は東白川村役場企画係にお勤めです。「カガミガハラ・スタンド」の戸高さんが企画したイベント「寄り合い」に参加し、東白川村をアピールしたことが、今回のイベントが開催されるきっかけとなりました。

  

 

 「煎茶クリームソーダ」を担当する佐藤里奈さんです。佐藤さんも「地域おこし協力隊」として東白川村に移り住んでいます。東白川村の美しい自然、そして昔から生業として造られているお茶の魅力にふれ、ネット販売のショップ、茶と紙の店「添い」を起業しました。佐藤さんが東白川村で出会い、知ることができた、お茶の世界が瑞々しい感性で表現されています。

  

 

 佐藤さんが作る「煎茶クリームソーダ」です。

東白川村の煎茶でシロップを作り、オーガニックのレモンと下呂の牛乳でアイスクリームを作っています。東白川村の爽やか煎茶の風味と、優しい炭酸水。甘さ控えめのアイスクリームに爽やかなレモンの酸味がチャーミングです。

 

 

お客さんの目の前で作ってくれるので、会話も弾みます。

 

 

東白川村「茶蔵園」の工場長 茶師 田口雅士さんです。田口さんは東白川村の茶農家に生まれ育ち、高校卒業後は国立茶業試験場(現野菜茶業研究所 金谷茶業研究拠点)研修生として2年間茶業の基礎を学びます。その後、静岡県の茶商へ就職。22歳で東白川村の第3セクターである(有)新世紀工房 茶蔵園に就職し、現在に至っています。昨年、東白川村を訪れた時に、とても丁寧に取材に応じて下さり、このコラム、「岐阜のお茶旅」Vol2Vol4で紹介させて頂きました。一年ぶりに田口さんと再会し、東白川村のお茶が素敵に発信されていることに、喜びを感じます。【茶場-cha bar-】のマスターとして本領発揮です。

 

 

 

田口さんはこの日、東白川村の最高級茶、煎茶とほうじ茶の「オンザロック・ティー」を提供しました。

 

 

 氷を入れたグラスの中に、濃いめに淹れた熱々のお茶を注ぎます。お茶が注がれた瞬間に香りが華やかに広がり、グラスの中の氷が、静かに、ゆっくりと溶けはじめます。淹れたてのお茶の贅沢な味わいが楽しめる「オンザロック・ティー」です。爽やかなうま味と渋みが溶けあい、その美味しさに、心が和らぎます。一煎、一煎、丁寧に淹れて下さる、茶師、田口さんの所作は美しいです。

 

 

「カガミガハラ・スタンド」では、期間限定ドリンクとして、831日まで、東白川村の微発酵茶「はなやか」の水出し茶を販売しています。東白川村が昔から行ってきた製造方法で造られています。収穫した茶葉を一晩寝かせることで、華やかなで優しい香りのお茶に仕上がります。東白川村の昔ながらのお茶です。

 

 

昨年、田口さんに案内して頂いた東白川村の茶畑です。

美しい山々に、すっぽりと包まれ、清々しく、爽やかな空気が流れます。

茶師の田口さんは、東京で開催されるお茶のイベントに参加し、東白川村のお茶の魅力を紹介しています。東京での評価も高く、最近では、お茶に携わる様々な人が、この村にやって来ます。東白川村を愛する人達が、いろいろな発信の仕方で、お茶の素晴らしさを伝えていく広がりが、今回の「カガミガハラ・スタンド」でも感じられました。

 

いよいよ、茶師 田口さんのワークショップが「カガミガハラ・スタンド」で開催されます。

茶師による カッピング&お茶講座【もう濁せないお茶のコト】

お茶の飲み比べをしながらお茶の基礎を学びます。田口さんによる「ライブブレンド」も開催されます。当日の参加者、場の雰囲気に合わせて茶葉を即興ブレンドして、参加者にプレゼントされます。

2018年 824日 金曜日 20時~2130分 要予約

参加費 2500円(お茶の飲み比べ、お菓子、茶葉のお土産つき)

会場 カガミガハラ・スタンド 岐阜県各務原市那加雲雀町10-4 

お問い合わせ カガミガハラ・スタンド TEL 0583898979

アクセス 名古屋から車で1時間前後 

岐阜駅から名鉄各務原線で「各務原市役所前」下車 徒歩5

 

日本茶の素晴らしさ、そして岐阜のお茶の素晴らしさを、いろいろな形で表現し、いろいろな人達が伝えていく。その土台にあるのは、昔から続くお茶造り。美しい自然の中で人々が育んでいった素晴らしい営み。日々、口にする美味しいお茶が、身近にあることは、とても幸せで豊かなことだと感じています。

 

《これまでの記事》
●vol.1_見渡せば、山、山、山。山の中の岐阜のお茶
●vol.2_清らかな山の恵み。美しい村、東白川村のお茶
●vol.3_美濃白川茶発祥の地に残る いにしえのお茶
●vol.4_東白川村 昔ながらの秋のお茶
●vol.5_東白川村 五加(ごか)地区の無農薬の茶畑で・・・・。
●vol.6_郡上八幡の人々が愛する美味しいほうじ茶 田中茶舗
●vol.7_宗祇水に導かれて・・・お抹茶処 宗祇庵
●vol.8_郡上八幡 第13回 小那比茶 茶摘み・茶もみ体験
●vol.9_美濃焼の旅 土岐市 織部の日のお茶会
●vol.10_西美濃に銘茶あり 美濃いび茶 茶山正
●vol.11_尾張名古屋のお抹茶ワールド お茶と抹茶スイーツの店 茶縁
●vol.12_岐阜のマチュピチュ 天空の茶畑
●vol.13_有楽苑 国宝茶室 如庵  愛知県犬山市

この記事を書いた執筆者

平林典子日本茶アンバサダー

平林典子(ひらばやしのりこ)

「Lacue チーズ・お茶・ワイン」の教室を運営。セミナーやイベントを開催。煎茶道黄檗松風流師範。チーズプロフェッショナル(CPA認定)ソムリエ(JAS認定)中国茶インストラクター(ロ・ヴー認定)茶道の季節を愛でる思いを大切に、気軽に楽しく、美味しく、自由な発想でお茶を楽しむ教室やお茶会を開催しています。