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土橋みゆきのハレノヒケノヒ二十四節気vol.36「秋の森へ行こう!」

2019.09.29

フィトンチッドという言葉を聞いたことがありますか?
自らは動けない植物が発する揮発性物質で、語源はロシア語から来ています。

そして、良い気が漂う森にはこのフィトンチッドが溢れているのです。

リフレッシュ効果はもちろんですが、抗菌、消臭効果もあり
今、介護業界でも注目を集めているのだとか。

森は生きています。

この中で多くの虫や動物などの生物が生息しています。

森の植物たちがフィトンチッドを出しているから雑菌などにより汚されること無く、
悪臭が漂うことも無いのです。

ちょっと疲れたな・・と思われたら秋は特に、森に行かれることをおすすめします。
自然のパワーをいっぱい浴びて来られると元気になれますよ。
大げさな旅行ではなくちょっとした木々の茂っているところを見つけたらそこでひとまず深呼吸をしてみましょう。

私も最近、ご近所の森を探検してきました。樹木の勉強会をお友達が主催していたのでお勉強させていただいたのです。

自分ではなかなか足を運ばないのですよね(笑)
こういう機会を本当にありがたいと思いました。
残暑の名残、まだまだ暑い日の中での開催でしたが、
到着すると、なんと、金木犀の香りが。

 

 

海外から一時帰国した友達が金木犀の香りが漂ってくると泣きそうになると言っていたのを思い出しました。

嗅覚は脳と直結しているので記憶に直結しています。
思い出と香りは表裏一体なのです。

金木犀の香りが漂うと、個人的にはとってもポジティブになります。
たぶん運動会を思い出すのだと思います。
今は春に運動会を行うところが多いようですが、昔は9月の下旬が多かったと思います。
お重の中に入っていた、青いみかんや栗を思い出します。
そして、私はかけっこが得意だったので、その記憶も色々と(笑)
癒やされるというよりは、俄然、元気になります。
運動会、楽しかったな。

植物のパワーは偉大ですね。
そんな忘れていた記憶も引き出してくれるのですから。

秋になると森は実りの季節となりカサカサっとした落ち葉の上を歩いて木の実を取ったり、木々の隙間を通る風にふと足を止めたり
森からたくさんのパワーをもらえると思います。

もう柿が実っていました。

 

 

またまた、小さい秋見つけた!
これは銀杏です。大きいですね。

 

 

フィトンチッドはリラックス効果が絶大。
森に行ったあとは、かなりの睡魔がやって参ります(笑)
心地よい睡魔です。
目覚めた後の緑茶は格別に美味しいですよ。

 

 

都内は実はとても公園が多く、元々は武家のお屋敷跡だったり、皇室ゆかりの土地だったりするので、案外広くて驚くことも多いです。

明治神宮の森は100年かけて本当の森を作ろうという一大プロジェクトのもとに作られた太古の原生林なのです。
その管理、研究は今も続き、絶滅危惧種の虫や猛禽類もここに生息しているそうですよ。
その森の中まで足を入れることは出来ませんが、脇の参道に、森のパワーが溢れています。

明治天皇をお祀りする明治神宮の創建とともに、100年後に出来上がる森を作ろうとプロジェクトが始まったのが1920年(大正9年)。
その100年後、わかりますか?

そうです!2020年。来年なのです。
オリンピック開催の年です。

皆様のプロジェクトが目指していた100年後の年に、オリンピックが開催されるのですよ・・とタイムマシンがあるのなら、あの時代の人達に伝えたい!

神宮の森に携わった大正時代の賢人たちが、自分たちがこの世にはおよし生きていない、
100年後のことを考えて、全身全霊で作られたのだと思うとグッとくるものがあります。

私達も自分たちの時代が良ければそれでいいのではなく
後世のために、せめてしわ寄せが来ないように
良い時代に繋げていきたいと切に思うのです。

 

 

《これまでの記事》
●vol.1 ゆずを愉しむ
●vol.2_運気UP正しい冬至の過ごし方
●vol.3_新年の愉しみ
●vol.4_暦の春
●vol.5春の苦み
●vol.6さの神様
●vol.7 八十八夜と暦の夏
●vol.8 うめしごと
●vol.9 七夕の正しい過ごし方
●vol.10 暦の秋
●vol.11アンチエイジング祈願重陽の節句
●vol.12 秋空が美しく雲映える二十四節気、寒露の頃。
●vol.13 霜降の「柿しごと」
●vol.14 「大雪の過ごし方」
●vol.15 「お雑煮の秘密」
●vol.16 「大根で始める、立春。」
●vol.17「春の気分を”あげる”」
●vol.18「テーブルで楽しむ春。」
●vol.19「初夏のよもぎライフ」
●vol.20 「どくだみハーバルライフ」
●vol.21「夏こそ断捨離」
●vol.22「鬼灯で涼を愉しむ。」
●vol.23「暦に寄り添うアスリートライフ」
●vol.24「秋土用の過ごし方。」
●vol.25「新蕎麦の季節。」
●vol.26「冬の簡単、保存食づくり。」
●vol.27「おせち素材の簡単アレンジ」
●vol.28「旧暦新年のお事汁」
●vol.29「春のはじめの過ごし方。」
●vol.29「春のはじめの過ごし方。」
●vol.30「春は〇〇の季節。」
●vol.31「平成から令和へ思いを寄せて。」
●vol.34「令和の夏のご報告」
●vol.35「秋の初めのビタミンC」

この記事を書いた執筆者

土橋みゆき

土橋みゆき(どばしみゆき)

料理研究家、日本こよみ暮らし協会代表 
日本の暦に寄り添った暮らしの提案、また、旬の食材やハーブを使った「おばんざい教室」を世田谷区で開催する他、メニュー開発、ケータリング、フードコーディネート、イベントなどに携わる。ガーデニングカタログ「オンリーワンクラブ」に”食べられるお庭”をテーマとしたガーデニングセットをプロデュース。
https://www.facebook.com/koyokura/