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元祖国産燻製茶カネロク松本園3代目奮闘記 vol.28 インフルにまけんなヨ!

2019.01.15

明けましておめでとうございます。
イノシシ年ということで猪突猛進とまではいかないまでも今年も邁進できるように頑張っていきたいと思います。
本年もカネロク松本園をどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

 

さて12月の活動報告としてはとくに目立ったこともしていないのですが畑の管理としては茶草場農法といって茶園の周りに生い茂るススキなどの草刈りがほとんどな気がします。
お茶にハマってアンバサダーをされている皆様には是非とも知識として押さえておいていただきたい”茶草場農法”とはなんぞや。
そもそも6年前まではそんな呼ばれ方もしていなかったのですが静岡県の大井川流域の茶農家が伝統的におこなっている農法です。
茶園の周りや山にススキや笹が伸びる場所があり、それを刈り取り茶園の土壌にしきつめていく作業のことです。
代々お茶の栽培にとって茶樹の保温や保湿、分解され土壌にすきこまれることによって茶樹の根が張りやすい土壌への改善、有機肥料として、など要は「より品質の高いお茶を栽培しよう」という農法が受け継がれてきたものです。
それが2013年にFAOという国連の機関により世界農業遺産に登録されることで注目をあびることになりました。
世界で30強の登録しかない世界農業遺産になぜこの農法が登録されたかといいますと、まず農業には密接に自然破壊があるということが前提にあります。人が自然に手を入れて生産活動をおこなうということが、もともとそこに存在していた土地やら植物などを人間の都合で変化させることが必要になって来るからです。
そこに最近よく聞く横文字「サステナブル」というキーワードが重要視されてきています。
サステナブルとは持続可能性という意味で、継続して守ることも大切にしなきゃね、ということ。
ススキを刈り取り茶園に敷きこむことがなぜサステナブルかといいますと、この農法は茶園だけでなくススキなどを刈り取った山々にもメリットがあることが研究の末証明されたのです。
草を放置した山には強い雑草がはびこり、簡単に言えば荒れた山となります。
そこを継続的に草の刈り取りをおこなうことで山の地面に日光があたり、強い雑草以外の絶滅が危惧されるような植物や昆虫の生態を保全していることがわかったのです。
この”マイナス面のない農法”が世界的にも価値を認められた、ということです。
秋から冬にかけてたいへんな重労働をしいられるので人間の労力としてはかなりのマイナスです。
というか夏は雑草と戦い冬は茶草と戦う。お茶農家は常に草と戦っています。
レタス農家さん達は豊作すぎて困っているなんて話もききますが、今年は暖冬みたいですね。
外仕事的には気持ちのいい、というか汗をかきながらの作業です。

そんなこんな、今年もあっという間にお茶刈りシーズンが到来するまですぐなってしまうとおもいます。
これから一番茶の品質をさらに向上させるために肥料をやったり茶工場の掃除や改善をしたり、茶園の作業効率をあげるための土木作業なんかもあります。
2019年もなんとか経営をサステナブルさせていくために精進したいと思っております。
みなさまカネロク松本園の美味しい緑茶を!ほうじ茶を!紅茶を!
どうぞご利用ください。たくさん飲んでください。
お茶でインフルエンザに対抗してください。

 

 

それではまた次回〜(o゚∀゚o)ノシ

 

 

《これまでの記事》
●vol.1 ごあいさつ
●vol.2 日本の世界農業遺産を知ってほしい
●vol.3 伝統の次は革新?日本初・国産燻製茶の誕生
●vol.4 日本茶を世界に!和紅茶編
●vol.5 よい茶葉との付き合い方
●vol.6 香港SOGO百貨店催事へ
●vol.7 東急ザロイヤルエクスプレスに燻製紅茶
●vol.8 「2017新茶」
●vol.9 新茶製造。まもなく二番茶。
●vol.10 いよいよはしるよ観光列車
●vol.11 機械はちいさく志は大きく
●vol.12 ウイスキーの雑誌に掲載されました
●vol.13 世界緑茶コンテスト入賞
●vol.14 ボンジュールパリジェンヌ
●vol.15 パリ後半戦とウィスキーフェス!
●vol.16 年男松本。今年もよろしくお願いいたします。
●vol.17 笑顔も苦手。喋りも苦手でごめんなさい。
●vol.18 お茶が早く揉みたくなってきました
●vol.19 世界で最も緑茶を愛する街、島田市
●vol.20 ワッショイ八十八夜
●vol.21 二番茶開始!お茶仕事の合間にアンバサダーな活動も!
●vol.22 6月は茶畑にひきこもり
●vol.23 祝ロイヤルエクスプレス1周年!パリでは3連単!
●vol.24 星付き茶農家になりました
●vol.25 旅ラジ出演!にこやかに喋れるキャラになりたい。
●vol.26 茶器にもこだわるとさらにお茶が楽しく嬉しくなりますよ
●vol.27 洋行帰り松本

この記事を書いた執筆者

松本浩毅

松本浩毅(まつもとひろき)

静岡県の専業茶農家カネロク松本園の長男に生まれ、幼い頃から跡継ぎとして育てられる。静岡県の農林大学校茶業科を卒業し22歳の頃に就農、現在34歳。専門家でなくとも飲めば特別だとわかるオリジナルなお茶を作りたいとの想いから、国内には存在しなかった茶葉を燻製にする製法を独自に研究開発。日本の世界農業遺産の周知にも力を注いでいる。島田市農業経営振興会、静岡県青年農業士、日本農業青年経営会に所属。
カネロク松本園HP:http://www.saumi-tea.com