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「日本茶アンバサダーレポート山田陽子inシンガポール」Vol.16

2017.04.07

みなさんこんにちは、シンガポールの山田陽子です。今までのレポートでも時折触れましたが、シンガポールはとても海外旅行がしやすい環境が整った国です。2泊3日でベトナム、ホーチミンに遊びに行って来ましたので、今回は番外編としてベトナムのお茶事情をお伝えしたいと思います。
ホーチミンにて、ベトナムのお茶を取り揃え、茶葉の販売と喫茶を行っているHATVALAというカフェにて予約をすると行っていただける、ベトナムのお茶のテイスティングセッションを予約し参加してきました。カフェを切り盛りしている、Thu Ngocさんにベトナム茶の特徴を説明してもらいながら、お茶を淹れていただきました。

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中国茶用よりシンプルな道具、手順でお茶を淹れます。

 

ホーチミンはシンガポールから飛行機で2時間ほどと近く、気候もシンガポールと同様に基本的に常夏です。雨季と乾季の2つの季節しかありません。そのため、お茶の栽培にはあまり適さないらしく、ホーチミン周辺ではお茶の栽培はされていません。ホーチミンにあるカフェなどもコーヒーの取り扱いがメインです。一方で、ベトナム中部から北部にかけての、特に山間地方でとても上質なお茶が栽培されています。中部以北は日本ほどはっきりとはしていないですが四季がきちんとある上に、山間部の冬は結構寒くなるため、お茶の味わいが増すということでした。ベトナムの質の良いお茶を求めて、昨今では台湾のお茶産業界から茶畑への投資も盛んになっているほどです。

 

ベトナムのお茶の成り立ちについて、地理的にも中国に近いですし北部は中国の影響を多く受けていた時期もあるので、中国茶文化が影響しているのかなと思い、Thu Ngocさんに聞いてみましたがそれとは違うということでした。少し調べてみるとフランス植民地時代にフランスの紅茶製造の影響を受け、輸出産業として発達してくるとロシアやインド、日本の影響も受けているようなことが言われています。この辺りは引き 続き調べてみたいなと思います。

 

ベトナム国内で生産されているのは主に、白茶(White tea)、緑茶(Green tea)、ウーロン茶(Oolong tea)、紅茶(Black tea)の4種類だそうです。また、いわゆる私たちがイメージする腰丈くらいの高さのお茶の木だけではなく、野生の茶の木(Wild Trees)も生息していて、お茶が収穫できるのが特徴だとのことす。私にとってはお茶の木は茶畑にある人の腰丈くらいの高さの木がそもそもの形だと思っていましたが、人の背丈よりも高く育つ野生の茶の木から茶葉を収穫するのは珍しいなと感じました。お茶の味も少し異なるとのことでした。

 

テイスティングセッションでは上記の4種類、計5ブランドのお茶をテイスティングさせてもらいました。飲んでみた感想はWhite tea、Oolong teaは中国茶に近い味わいで、Black teaはインドのダージリンティーに近い気がしました。Green teaについては中国茶よりすっきりしていて、日本の煎茶のような甘みがほのかに感じられる、独特のものといえる気がしました。飲ませていただいたものはWild Treeの茶葉でしたので、その違いもあるのかもしれません。HATVALAではよりナチュラルでかつ、高品質なお茶の仕入れに力を入れているとのことです。地域によってはHATVARAの他のお茶の品質より落ちるため、品質が上がるまで仕入れを見送っているとのことです。お茶の品質に対するこだわりが感じられました。

 

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白茶の茶葉

 

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緑茶の茶葉

 

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発酵の浅いウーロン茶茶葉

 

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ウーロン茶茶葉

 

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紅茶の茶葉
ベトナムは東南アジア諸国の中でも大好きな国の一つなので、時間を見つけてお茶を栽培している地方にも足を運んでみたいなと思いました。またベトナムのお茶について情報を仕入れたらレポートしたいと思います。それではまた、来月!

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この記事を書いた執筆者

山田陽子日本茶アンバサダー

山田陽子(やまだようこ)

大学卒業後、日本で就職するも海外での就業の希望が諦められず、2011年末に一念発起し単身でシンガポールへ。現在、在住4年目。言語や文化の違いに戸惑いつつも、ローカルの友人にはJapanese Singaporean と言われる程、馴染んで楽しく暮らしています。昔から、家では日本茶を飲む習慣があり、日本の美味しいお茶を海外にも広めたいと思い日本茶アンバサダーとして活動することにしました。日本茶だけではなく中国茶や東南アジアのお茶文化のレポートも出来ればと思っています。