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近藤あやの『おうちでできる着物デビュー』 vol.7_帯の種類

2016.10.27

日本茶アンバサダー近藤あや

帯はどれも長いですし、初心者の方には同じように見えるかもしれませんが、実はかなり色んな種類があります。

現在、もっともメジャーな帯として使われているのは、下の3種類かと思います。
*袋帯
*名古屋帯
*半幅帯
織物なのか?染め物なのか?帯の幅、お仕立て方法によっても更に種類分けされています。

とはいっても、袋帯も名古屋帯も昭和に入って完成された形。
名古屋帯に至っては、戦後になって普及したものです。
昔々に遡れば、単に紐のような物で結んでいたものが、江戸時代の元禄になってようやく幅の広い帯に変化していき、帯の結び方にも様々なバリエーションが出てきたそうです。
当時の役者さんや芸者さん達がファッションリーダーとなることで、帯も様々な変化を遂げてきた訳です。
現代主流の帯の結び方「お太鼓結び」も、亀戸天神にお太鼓橋ができて、深川の芸者さんが考えて結んだのがはじまりと言われています。

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そう!現代の私たちにとっては古から続く伝統衣裳かもしれませんが、着物が日常だった人からしたらファッション。様々な変遷を経て今に至っている訳です。
ですから、現代でももっと凝った帯結びをする為に帯の長さが長くなったり、背の高い方が増えてきていることで帯幅の広いものがあったり、と地味に変化を続けています。

ただ、帯もお仕立てによって何の帯か見分けにくい物があります。自分で購入すれば、これは「名古屋帯」「袋帯」と認識して購入できるので良いですが、頂いた物や私たちからするとお婆さま世代の方は、ご自分で帯を縫われている方も多かった時代ですから、色んなお仕立てをしている方が多いのです。細かく帯の種類を挙げ始めたらちょっと考えただけでも十数種類思い浮かぶ程。
では「何帯なのか?」を知るには、何を基準に考えたら良いのか?
それはまず長さを目安にするのが良いかと思います。

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図をご覧になって頂くと分かるように、袋帯や名古屋帯を結ぶには、それぞれ必要な長さがあるので、まずはそれを目安に「名古屋帯」「袋帯」「半幅帯」を判断。
しかし、アンティーク帯を購入したりすると、帯の結び方が現在とは異なる結び方をするので、同じような長さでも、柄が逆さまになってしまうものや両面使えるようになっているもの。短くて思うところに柄が出てこない物などもあります。それ以外にも、帯のお仕立てですと、背の高い方/細見の方/ふっくらされた方等、体型によって帯のお仕立ても多少異なってきます。
そんなときは、お仕立て直しをしたり、工夫することで締められるようになるので、決して諦めないように!

さて、基本の「袋帯」「名古屋帯」「半幅帯」をお伝えしたところで、今度は、格付け。
簡単に図にまとめるとこうなります。

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細かいコーディネートルールは追々覚えていくとして、ベースとしては、
袋帯>名古屋帯>半幅帯 そして、織>染め と覚えておけば、大枠はOKです!

昔から「着物より格上の帯を合わせなさい」とか、「着物一枚に帯3本」と言われる程、帯はお着物のコーディネートの要になるもの。
お着物だけでなく、帯の格にも必ず気をつけておくと良いですね。

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この記事を書いた執筆者

近藤あや日本茶アンバサダー

近藤あや(こんどう あや)

遠州流茶道師範、着付け師。 祖母が一年中着物を着て過ごしていたことから、幼少より着物に親しむように。茶道や時代衣裳の勉強をしながら着物への理解を深め、撮影やブライダルの着付けで経験を積む。シンプルで楽な着付けをモットーに、ファッションの選択肢の一つとして着物を着てもらえるよう、着付けを教えるかたわらコーディネート相談や、帯のお仕立て等も行っている。