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「日本茶アンバサダーレポートinシンガポール」Vol.9

2016.04.18

こんにちは!シンガポールの山田です。最近のシンガポールは雨季が終わってどんどん暑くなって来ました。冷たい、すっきりとした飲み物を欲するこのごろです。

今回は第二回Japanese Tea Tasting Party を開催しましたので、その様子をお伝えしたいと思います。今回は前回のパーティーに都合が悪く参加できなかった方で、是非一度参加したいという強い要望で急遽開催しました。中華系のマレーシア人、中華系シンガポール人そしてドイツ人の3人の方と日本茶の飲み比べをしました。私を含めて4名と小規模で開催したので、より日本茶やお茶に対するコメントを聞きながら楽しむことが出来ました。

写真(1)
今回の参加者さんと一緒に。

今回お出ししたお茶とお茶菓子は以下の通り、

(日本茶)
> 普通蒸し緑茶
> 深蒸し緑茶 Ice/hot
> 玉露(福寿園さん)
> ほうじ茶
> 抹茶

(お菓子)
> トマトの羊羹・しょうがの羊羹(麻布野菜菓子さん)
> えびせんべい(坂角総本舗さんの八樂)

前回のメニューに玉露を加えてみました。特に外国人の方に玉露を飲んだ感想を聞いてみたかったので。というのも、第7回目のコラムで高島屋シンガポール店の福寿園さんでは玉露が一番人気ということでしたが、私としては本当かな?と感じていたので、実際に福寿園さんで購入した玉露を淹れ確かめてみました。

前回と同様に普通蒸しと深蒸し緑茶に対する感想は「深蒸し緑茶のほうが日本茶ぽくて美味しい。」というものでした。やはり、日本茶というとグリーンティーという印象が強いのできれいな緑色の水色の深蒸し緑茶が好まれるようです。アイスで出した深蒸し緑茶も引き続き人気でした。茶葉を濾せるガラスの容器に茶葉とお水を入れて半日冷蔵庫に入れただけだと作り方を伝えると、「水は何でもいいのか?」「お茶は何でもいいのか?」などと熱心に聞いてきてくれました。今度、お家でやってくれたらうれしいですね。

そして、今回の関心事の玉露の番。私の予想では外国人の人にはあまり好まれない味なのではないかなと思っていましたが、意外にも「Amazing!」という感想を3人から頂きました。福寿園の販売員さんから、「あまり苦みが無く、マイルドなので人気です。」と伺っていたとおり、「マイルドで美味しい。」と3人とも驚いていました。私の個人的な考えではお茶ではなくてダシっぽい味もするので不人気ではと思っていたので、それを伝えてみると「そう言われるとダシっぽいけど、美味しいよ。」という反応が返ってきました。今回のパーティーの意外な発見でした!何度かティーパーティーをやってみて気づいた、「外国人うけする日本茶」の特徴は苦味が少ないマイルドな味できれいな色が出ること。そしてきれいなパッケージに入ったもの。というのが今のところの私の考えです。味も重要ですが見た目の美しさがとても重要な気がします。

ほうじ茶については特にドイツ人の友人がとても喜んでくれました。ローストされている味が好きなようで、だから玄米茶も好きなんだよと言っていました。ほうじ茶の存在はは知らなかったので新たな発見を喜んでいました。次回、実家に帰るときはお母さんにお土産にしたいと喜んで飲んでくれていました。彼女からはドイツのお茶文化についても話を聞くことが出来ました。ドイツでは基本的に紅茶を飲むことが多く、ストレートではなく甘くして飲むのが普通とのことでした。伝統的には紅茶に棒状の角砂糖のようなものを入れて甘くして飲むそうです。一般的には砂糖やハチミツを入れて飲むのが主流なようです。

一緒に出したお菓子ですが、えびせんべいはアジア系の二人に大人気でした。えびの味がしっかりとするのが特に気に入ったようでした。アジアではお刺身や焼き魚を食べる文化も共通しているので少し魚くさい香りがするものも、広く受け入れられている気がします。また、野菜の羊羹がドイツ人の友人から特に好評でした。彼女はベジタリアンということもあり、何を出すか気を使っていたのですが、味だけではなく野菜をお菓子に使うというコンセプトに興味も持ってくれ、喜んで食べてくれていたので良かったです。宗教的な多様性もありシンガポールにはベジタリアンの方が多くいます。また、西欧米人の方は健康を考えてベジタリアンになったという方も多いです。こうした人たちには動物的な食材をあまり使わない和菓子は安心して食べられるスウィーツとして広く受けるのではないかなと感じました。

写真(2)
評判の良かった、えびせんと玉露

今回は時間に余裕があったので、お茶の淹れ方や日本で一般的にどのように飲まれているかなどを伝える時間がありました。日本の伝統に関心がある方が多いので、次回はもう少しお茶文化的なことも伝えられたらいいなと思い、アンバサダーの活動のモチベーションになったお茶会でした。

それでは、また来月!

この記事を書いた執筆者

山田陽子日本茶アンバサダー

山田陽子(やまだ ようこ)

大学卒業後、日本で就職するも海外での就業の希望が諦められず、2011年末に一念発起し単身でシンガポールへ。現在、在住4年目。言語や文化の違いに戸惑いつつも、ローカルの友人にはJapanese Singaporean と言われる程、馴染んで楽しく暮らしています。昔から、家では日本茶を飲む習慣があり、日本の美味しいお茶を海外にも広めたいと思い日本茶アンバサダーとして活動することにしました。日本茶だけではなく中国茶や東南アジアのお茶文化のレポートも出来ればと思っています。